自転車の鍵を無くした時の対処法をプロが解説

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【記事監修者】

島田 宏幸(しまだ ひろゆき)

主任錠前技術者

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通勤通学やサイクリングなどで手軽に使える自転車は、身近な乗り物であるせいか鍵の紛失が比較的多いです。
もしも鍵を無くした場合に知っておくべきことは何か?
鍵の種類の見分け方や自分で鍵を開ける方法、依頼できる業者について鍵のプロが解説します。

1. 自転車に付いている鍵の種類を知っておこう

安価で手軽な自転車は、使われている鍵も簡易なタイプが一般的です。
自分の自転車に付いている鍵の種類を知っておくと、自己対処や業者依頼時の状況説明、あるいは盗難対策の強化がしやすくなります。

自転車の鍵の種類

・リング錠、馬蹄錠

U字型のリングを前輪または後輪にかぶせてロックし、スポークと支柱に引っかかることで車輪を回せなくする一般的なタイプです。
鍵を刺して開けるタイプと、鍵不要の暗証番号タイプがあります。

・ワイヤー錠

細長いワイヤーを車輪のスポークと車体のフレームに回し、ひもで緩く縛るように車輪をロックするタイプです。

・箱錠、前輪錠

前輪の支柱に取り付ける鍵で、箱型の本体から飛び出たかんぬきがスポークに引っかかって回転を止める簡易鍵です。
以前は標準装備でしたが、防犯性や堅牢製が低いため、今では補助用の後付け鍵として使われています。

・U字ロック

U字型の太い金具にかんぬきを通したような、南京錠に似た形状の鍵です。
これも他の鍵と同じく、車輪に近い支柱とスポークを挟み込むようにロックします。
頑丈な構造で鍵開けや破壊が難しいタイプなので、ワイヤー錠やリング錠などよりも防犯性が高くなります。

2. 自力で自転車の鍵を開ける方法

鍵穴があるタイプの鍵は、その鍵を開けるための対応鍵が必ずセットになっています。
ですが本項で紹介する方法を使えば、対応鍵を無くしてしまった場合でも鍵を開けることが可能です。
鍵を無くす心配のない暗証番号タイプの鍵も、財産分与や遺品整理で貰った自転車を使いたい場合など、番号を知らずに鍵を開けたいことがありますよね。
壊さずに開ける方法と壊して開ける方法を紹介しますので、自力でできる範囲で試してみてください。
言うまでもないことですが、絶対に悪用してはいけません!

自転車の鍵の開け方

・鍵穴が細長い形で鍵を回さずに開けるタイプ

リング錠や箱錠タイプは、板状の鍵を鍵穴に刺して押すだけで開くものが多いです。
この仕組みを利用した方法で、おもに以下の道具を使います。

◇ヘアピン
◇傘の持ち手のそばにある、傘を開くための押しボタン金具(傘鍵)
◇薄く小さいマイナスドライバー

鍵穴の奥まで入る厚さと幅のものなら、上記のどれでも使えます。
鍵穴の中ほどまで道具を差し込み、先端付近を水平方向に押し付けます。
この時道具の先端を押し付ける方向は、鍵本体の外側(車輪の反対側)です。
内部の開閉部品を手探りで上手く押すと、簡単にロックが外れます。

傘鍵を使う場合は、壊れて使わなくなった傘を利用すると良いでしょう。
分解できる傘がない場合は、細めのヘアピンかマイナスドライバーを探してみましょう。
傘を分解して傘鍵を取り出すには、まず押しボタンと持ち手の中間をペンチなどで切断します。
カッター付きのペンチがない場合は、体重をかけて折り曲げながらねじ切るやり方でも構いません。
筒状の切断面を覗くと傘鍵部品が見えますので、ペンチで切断面を広げて傘鍵を引き抜きましょう。
ピンセットのように先が細いラジオペンチがあると楽です。

・鍵穴が曲がりくねった形で鍵を回して開けるタイプ

最近では自転車鍵の防犯性能が向上しており、家のドアについているようなシリンダータイプの鍵も使われています。
シリンダータイプの鍵は、「ピッキング」と呼ばれる方法で開けることができます。
ただしピッキング解錠は、前項で紹介した「鍵穴が細く平らで鍵を回さずに開けるタイプ」の開け方よりも難易度が高く、素人の方がすぐに成功するようなものではありません。
あくまでも緊急時用の解錠知識として記載します。

ピッキングに必要な道具は、「テンション」「ピック」と呼ばれる細長い2本の金属棒です。
テンションは、鍵穴内部の障害ピンが外れた時に鍵穴を回すためのもので、小さめのマイナスドライバーなど、先端に3~5mm程度の幅(鍵穴を回せる幅)があるものが望ましいです。
ピックは鍵穴内部の障害ピンを直接いじるためのもので、針金のように細長いものを使います。
針金やヘアピンなどでテンション・ピックを用意できたら、以下の手順でピッキングを試しましょう。

①テンションを鍵穴の端に差し込み、鍵を開ける方向に軽く回し続ける
②テンションの回転力を維持したまま、ピックを鍵穴の真ん中付近に差し込んで、内部のピンを押し込んでゆく

シリンダー鍵の内部ピンは、「鍵を刺す時に鍵山が向く方向」にあります。
そのためテンションはピックの動きを妨げないように、鍵山と逆側の端に差し込みましょう。
鍵山の方向が思い出せない場合は、テンション・ピックの位置を入れ替えて試しましょう。
また、平らな金属板に穴が開いているタイプの鍵は「ディンプルキー」と呼ばれるもので、ピッキングで開けるのは非常に難しいです。
開けたい鍵がこのタイプの場合は、ピッキング以外の対処法をお勧めします。

・暗証番号で開けるタイプ

鍵を持ち歩く必要がない暗証番号タイプなのに、なぜ「鍵を無くした時の開け方」の説明が必要なのか?
持ち主であれば正しい番号を知っているのが普通ですが、遺品整理や財産分与などで、番号のわからない暗証番号鍵の物品を受け取るケースがあるためです。
あるいは、買ったばかりや譲り受けたばかりの自転車の暗証番号を、メモする前に忘れてしまう人もいます。

暗証番号がわからない時は、とにかく「全ての番号の組み合わせを試す」のが早道です。
こう聞くと面倒なように思えますが、3桁の暗証番号なら組み合わせは1,000通り、4桁なら10,000通り。
「000→001→002…」「0000→0001→0002…」といった具合に、右の方から1つずつ数字を増やしながら総当たりで試していけば、いつかは必ず正解の番号にたどり着けるわけです。
鍵が劣化・破損していると開かないこともありますが、大切な形見の品など壊して開けたくない場合には、番号を総当たりするのがお勧めです。
暗証番号の変更が可能なタイプでは、持ち主の生年月日や記念日など、暗記しやすい番号がよく使われます。

・鍵を壊して開ける方法

自力で壊さずに開けられない場合は、鍵を壊して開けることも考えないといけません。
ただし鍵を壊す場合、当然ですがその鍵は二度と使えなくなってしまいます。
交換費用や緊急性をよく考慮して、壊すかどうか決断しましょう。

自転車の鍵を壊すには、ボルトカッター、またはボルトクリッパーと呼ばれる工具が必要です。
細い金属を切断するためのもので、安いものでは1,000円台から購入できます。
リング錠は、ロック時に飛び出るつっかえ棒を切断します。
箱錠の場合は、ロック時に飛び出るつっかえ棒、または本体をフレームに固定する金具を切断しましょう。
ワイヤー錠は鎖のような形状になっているので、鎖の一番細い箇所や継ぎ目を狙って切断しましょう。

3. 鍵を無くして開けられない!自力で無理ならプロの業者に依頼しよう

前項の「2. 自力で自転車の鍵を開ける方法」で紹介した方法は、業者に頼らず自力で鍵を開けるための対処法でした。
この方法でも鍵を開けられなかった場合や、素人作業で鍵を壊したり傷つけたりしたくない場合は、プロの業者に依頼するのが安全で確実な対処法になります。
どんなケースでどの業者を頼れば良いのかを説明します。

自転車の鍵トラブルで頼れる業者一覧

・鍵屋

鍵の種類や仕組みを知り尽くしている鍵屋は、どんな鍵でも素早く正確に開けられるプロ中のプロです。
家の鍵や車の鍵に関わる依頼が多いですが、自転車の鍵トラブルでも問題なく対応できます。
鍵を開けるだけでなく新しい鍵に交換したい場合でも、希望する防犯性能や予算に合わせて、膨大な種類の中から最適な鍵を提案してくれます。

鍵屋に依頼するメリットは、壊さずに鍵を開ける技術がどこよりも高いことです。
また、自転車屋では出張サービスをできないところもありますが、鍵屋は元々出張作業が基本なので、依頼があればどこでもすぐに駆け付けてくれます。
自転車を店舗に持ち込むのが難しい場合や、知らない土地のツーリングで最寄りの自転車屋がわからない場合などは、鍵屋に出張作業を依頼するのが早いです。
さらに、その場で新しいマスターキーを作成して貰うこともできます。
他にも、破壊や鍵開けが難しいU字ロックの場合でも、鍵屋ならスムーズに開けることが可能です。

・自転車屋

街の自転車屋では、販売・修理・メンテナンスだけではなく、開かない鍵の開錠も受け付けています。
ただし鍵屋とは違い、鍵を壊さないように開ける「解錠」ではなく、破壊・切断して開ける「開錠」が一般的です。
自転車屋に依頼するメリットは、壊したその場ですぐに新しい鍵に交換して貰えることです。
かかる費用は付け替えたい鍵の種類にもよりますが、比較的リーズナブルな金額に収まる場合が多いです。

・一部メーカー

自転車を取り扱っている一部の大手メーカーでは、近くの販売店でスペアキーを取り寄せて貰うことができます。
申し込みから受け取りまでに1週間~10日ほどかかりますので、時間に余裕がある場合は取り寄せも検討してみると良いでしょう。

・警察、近くの交番

業者とはやや異なりますが、警察や交番には自転車の鍵を切断する工具を備えているところがあります。
そのため近くの警察に自転車を持ち込めば、無料で鍵を切断するところまではやってくれるでしょう。
また警察では、全ての自転車に義務付けられている防犯登録データを照会可能です。
保険証や免許証など身元を証明できるものがあれば、その場で防犯登録データと照合して
所有者本人であることを確認し、鍵を切断して貰えます。

防犯登録されていない自転車、あるいは自分の身元を証明できない場合は、どれほど切実に頼み込んでも鍵の切断はしてくれません。
さらにこのようなケースでは、自転車泥棒の疑いをかけられて職務質問される可能性もあります。
鍵開け依頼の本人確認は、自転車屋でも鍵屋でも必ず求められる手順です。
盗難目的の依頼を防ぐための措置ですので、お手数ですが依頼者の本人確認にご協力をお願いします。

・注意:JAFは自転車対応のサービスはありません

ロードサービスで有名なJAFは、バイクや原付など二輪車のトラブルにも対応してくれるのが便利ですよね。
ですがJAFの二輪対応サービスは、「大型・普通・小型バイク」と「原動機付自転車」のみです。
エンジン動力の無い自転車、電動自転車には対応していませんので、JAF会員であっても自転車の鍵開けはして貰えないことに注意しましょう。

4. 二度と鍵を無くさないための予防法

今回のコラムで無事に鍵トラブルを解決していただければ、当社にとってこの上ない喜びです。
ですがここで意識していただきたいのは、「もう二度と鍵を無くさないようにする」心がけです。
どうすれば鍵を無くさずに済むのか、効果的な予防法をご紹介します。

鍵を無くさないための予防法

・キーチェーン、キーホルダーに繋ぐ

キーチェーンやキーホルダーの役割は、単なるアクセサリーとしてだけではありません。
小さな鍵を単体で落としてもなかなか気付きにくいものですが、キーチェーンなどが付いていればジャラジャラと音を立てやすくなり、落とした時の金属音で気付きやすくなります。
また、大きめのキーホルダーや長さのあるキーチェーンは、重量が増えることで紛失時の違和感を感じやすいメリットがあります。

ですが最も効果的な使い方は、衣服や手持ち品に直接鍵を繋げてしまうことです。
ズボンのベルト通し、バッグやポーチのストラップ金具、普段開けっぱなしのポケットのボタン穴など、キーチェーンやキーホルダーを着衣に繋げられる場所はたくさんあります。

・紛失防止タグを付ける

鍵の紛失を防ぐ便利ツールに、紛失防止用タグというものがあります。
Bluetoothでスマホと連携する機能が付いた電子式キーホルダーで、タグを付けた小物とスマホが一定距離以上離れると、アラームを鳴らしたり位置情報を表示したりできます。
鍵を落としてもすぐに場所がわかりますので、見つける前に持ち去られるリスクも減らせます。

・保管場所を一か所に決めておき、むやみに変えない

ごく基本的な対策として、保管場所をきちんと決めておくことも重要です。
鍵の紛失トラブルの事例では、「一時的に仮置きしておいた鍵が見当たらない」といったパターンがよくあります。
「いつもは引き出しの中に入れているのに、たまたま他の場所に置いたのを忘れてしまった」
「どこかにちょっと置いただけの鍵を、忘れ物と間違えられて持っていかれた」
うっかり忘れや勘違いは誰にでもあることですので、むやみに鍵の保管場所を変えないよう習慣付けておきましょう。
また、鍵を持ち出して携帯する時も、使う時以外は着衣やバッグにしまっておく癖を付けましょう。

・暗証番号タイプの鍵に付け替える

暗証番号で開ける鍵のメリットは、解錠用の手持ち鍵が必要ないことです。
そもそも存在しない物は無くしようがありませんから、手持ち鍵がいらない暗証番号タイプに付け替える方法も効果的です。

・スマートロックや指紋認証式の鍵を付ける

スマホアプリから遠隔操作できるスマートロックや、指先タッチの指紋認証で解除可能な鍵もあります。
他の鍵よりも価格は少々高めですが、手持ち鍵を無くすリスクがなく、見た目のスマートさと紛失防止の両立が可能な便利アイテムです。

ただしスマートロックの場合、スマホの紛失や電池切れ、通信不良などで鍵を開けられないことがあります。
また指紋認証式の鍵では、指先の汚れやケガなどでタッチ反応しにくい場合があることも覚えておきましょう。
スマートロックや指紋認証のようなハイテク鍵は、取り扱いやメンテナンスに細かく配慮できる人向けのデリケートアイテムです。

5. 自転車の鍵を無くした時の対処法・まとめ

一番身近な乗り物の自転車は、価格の安さと機能性のシンプルさから、セキュリティ意識をつい忘れがちな乗り物でもあります。
ちょっとした短時間の駐輪でも必ず鍵をかけるようにし、鍵を抜いて持ち歩く際は、着衣やバッグなどにきちんとしまっておきましょう。
ハイテク機器を使いこなせる自信があるなら、鍵を持ち歩かずに済むスマートロックや指紋認証機能付きの鍵も検討してみましょう。
鍵の紛失に気付いた場合は、自分で開ける方法をまず試し、どうしても無理なようなら早めに業者に依頼しましょう。
依頼費用を節約したいから、と無理に自己対処してしまう人がいますが、かえって鍵や自転車を傷付けてしまったり、自転車泥棒と間違えられたりするリスクがあります。
余計な二次被害を招かないうちに、プロの業者に依頼するのが安全です。

 

【記事コンセプト】
たくさんの荷物を積めて、遠い場所へも安全快適に移動できる車。
スピード感と小回りの良さで、自然を肌身に感じながら軽快に走れるバイク。
そして自転車は、パワー感やスピード感こそ車とバイクに負けますが、自力で漕ぐ運動の気持ちよさやコンパクト性が最高の魅力ですよね。
しかしいくらコンパクトだからといっても、自転車は道路交通法で規制される「軽車両」であり、人力車や馬車と同じカテゴリに分類される立派な乗り物なのです。
高価なものでは100万円以上するものもあり、鍵の種類・性能や取り扱いの注意点など、ぜひ知っておいていただきたい知識はたくさんあります。

当社鍵のかけつけ本舗は、建物・車両・金庫などの超高性能鍵から、ポストや自転車などのごく身近な簡易鍵に至るまで、あらゆる鍵の知識と技術を蓄積しています。
プロの知識とノウハウを、お客様の身近な安心・安全にお役立ていただくために。
可能な限りわかりやすくオープンに、鍵に関する情報発信を続けてまいります。

 

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記事監修者

島田 宏幸(しまだ ひろゆき)

記事監修者

島田 宏幸(しまだ ひろゆき)

1964年生まれ。富山県出身。主任錠前技術者。
「鍵のかけつけ本舗」の創業時より当社に在籍。
これまで警察の捜査に伴う開錠や、金融機関における業務用金庫の開錠など、数多くの鍵トラブルを解決してきた。
今も現役として現場作業に携わるほか、教育担当として後輩社員の技術指導や育成も担う。 趣味は釣り、料理。

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