空き巣被害に遭わないために!プロが教える防犯性の高い鍵

  • 鍵の防犯性
防犯アドバイス サムネイル画像

自宅、店舗、事務所など、さまざまな場所で人命や財産を守る鍵。
鍵ごとに防犯性の優劣は異なり、さらに扱い方や取り付け方によっても、性能の発揮度合いが変わってきます。
今回のコラムは、より安全性の高いハイセキュリティ鍵の説明です。
鍵を知り尽くしたプロの視点で、不正開錠に強く本当に頼れる鍵を紹介します。
併せて、鍵の性能を100%発揮させるための注意点や、鍵と一緒に気を配りたい防犯テクニックなどもお届けします。

1. 防犯性が高いのはこんな鍵!

ひとくちに鍵と言っても多種多様な製品があり、防犯性能を決める要素も1つや2つではありません。
防犯性能が高い鍵とはどのような鍵なのか見ていきましょう。 

防犯性能が高い鍵の特徴

・鍵穴内部が複雑でピッキングに強い

不正開錠の手口のひとつに「ピッキング」があります。
正規の鍵を使わずに鍵穴内部の障害物をいじって開ける方法で、シリンダータイプの鍵によく使われる手口です。
障害物の数が多い複雑な鍵は、ピッキングに時間をかけさせることで侵入者を諦めさせます。
ピッキングに強い鍵の代表例は、板状のキー表面に穴がたくさん開いている「ディンプルシリンダー」タイプです。
また、鍵山の形ではなくマグネットの磁力でロックを動かす「マグネットシリンダー」タイプもあります。
どちらも鍵穴が綺麗な長方形で、キー形状もほぼ長方形に近い板状なのが特徴です。

・頑丈な素材で破壊に強い

ピッキング以外の不正開錠の手口として、ドリルで鍵穴を壊してしまう「破壊開錠」もあります。
価格帯が高めの高性能鍵では、鋼鉄など高硬度の鍵穴部品がよく使われています。
ドリル破壊にも長時間耐えるよう、防犯性能の隙をなくしているわけです。

・サムターンに安全策が施されている

内側から鍵を開ける時に回すツマミを「サムターン」と言います。
ドアの内側にある部品なのでつい油断しがちですが、ドア板に穴を開けてサムターンを直接動かす手口もあることを知っておきましょう。
サムターンを覆うようなカバーが付いている、またはサムターン自体に鍵が付いている製品は、この「サムターン回し」をさせないためのものです。
内側にも防犯の工夫を施すことで、不正侵入の防止効果を飛躍的に高めています。

・ワンドア・ツーロックになっている

一般家庭のほとんどは、1枚のドアや窓に1つの鍵しかついていません。
鍵が1つだけの場合、侵入者はとりあえず不正開錠を試みようとします。
ところが鍵が2つ以上付いていると、ぱっと見で「これは手間がかかりそうだな…」と諦めやすくなるのです。
2つ目の鍵の取り付け位置は、頭上近くの高い位置が推奨されます。
低い姿勢での開錠作業が不可能になるので、身を隠しにくく敬遠されやすいからです。

・「CP」マークが付いている

鍵や窓ガラスなどの建物用部材には、防犯性能の高さを保証するCPマーク制度があります。
鍵の場合は、不正開錠テストに5分以上耐えられるものがCPマークの対象です。
侵入犯は開錠に5分以上かかると7割が諦め、10分以上で9割が諦めるという調査結果が出ています。
CPマーク付きの鍵は、7割もの侵入者を退散させる効果が期待出来ます。

2. 防犯性が低いのはこんな鍵

防犯性能が高い鍵の次は、防犯性能が低い鍵の特徴も知っておきましょう。
具体的にどんな鍵だと不安なのかは、防犯の隙をなくすために必須の情報です。

防犯性能が低い鍵・こんな鍵は要注意!

・旧型で構造が単純

「}」型の鍵穴が縦に空いている鍵は、ピッキングにとても弱いことで知られる「ディスクシリンダー」タイプ。
2000年頃に生産終了になった旧式鍵で、築年数が古い家ではいまだによく見かけます。
また、キーがギザギザ形状で、ジグザグ状の縦の鍵穴は「ピンシリンダー」タイプ。
これらは内部にディスク形状 / ピン形状の障害物が入っていて、ディスク枚数やピン本数が少ないと簡単にピッキングされてしまいます。
最近では防犯性能を高めた改良型も出回ってきていますが、2000年頃までに建てられた住宅や事務所などは、旧型の物がいまだに残っていることもあります。

・鍵穴が波打つような形で縦になっている

上の見出しとも関係しますが、ピッキングに弱い旧式鍵は鍵穴を見ればほぼわかります。
「}」型やギザギザ型の鍵穴が縦になっている物は、耐ピッキング性能がほとんどない旧式鍵。
改良が施された高性能鍵は、鍵穴が水平になっているか、まっすぐ綺麗な長方形の形をしています。
手持ちキーの形状にも特徴があり、一般的にはギザギザがあるキーよりも、金属板に丸い穴が開いているほうがピッキングには強いです。

・見た目が古く劣化している

サビや欠損などが見られる鍵は、経年劣化や破損などで耐久性が低下しているリスクが高いです。
日本ロック工業会が定める鍵の耐用年数は、物理式の一般鍵で10年、電気式の特殊鍵で7年です。
古い建物で鍵の交換をしていない場合、新品鍵のような防犯性能はまず期待できません。
鍵穴内部の劣化だけでなく破壊開錠にも脆くなるため、一目で古いとわかる鍵には注意してください。

・丸いドアノブと鍵穴が一体型になっている

玄関ではあまり見かけませんが、勝手口などのドアでよく使われているのが、丸いノブと鍵穴が一体型のタイプ。
これはインテグラル錠、または円筒錠と呼ばれるタイプで、構造上防犯性能が低いというリスクがあります。
玄関ドアに強固な鍵を付けていても、他の侵入口の防犯がお粗末では水の泡です。
自宅の侵入経路を入念にチェックして、このタイプの鍵が付いている場所があったら交換を検討しましょう。

3. プロがおすすめする防犯性の高い鍵!

鍵のプロである私たち鍵屋は、世の中に数百とある鍵の特徴を知り尽くしています。
鍵屋が胸を張ってお勧めできる、防犯性能が高い鍵を紹介します。

一般家庭向け・リーズナブルタイプ

10,000円前後で付けられる手頃な鍵から見ていきましょう。

・カバエース

スイスのカバ社製の鍵は、防犯性が抜きん出ていることから世界中で高い評価を得ています。
そのカバ社の低価格帯モデルがカバエースで、一般家庭の交換用としてお勧めしやすい鍵です。
耐ピッキング性能に優れるディンプルシリンダー方式で、キーの向きが左右逆でも使えるリバーシブルキーを採用しています。
侵入犯の9割が開錠を諦める。
鍵穴破壊の耐久時間は5分未満となっていますが、カバ認定販売店でのみ合鍵作成が可能など、バランスの良さはお墨付きです。

・ゴールV18

こちらも比較的安価な鍵ですが、耐ピッキング性能・耐破壊性能ともに10分以上の耐久性を誇り、CPマークが付いています。
カバエース同様リバーシブルキーで使いやすく、国内メーカーとしてアフターサービス
が充実しているのもメリットです。

・MIWA PRシリンダー・U9シリンダー

業界大手の国内メーカー・美和ロックが販売している、CPマーク付きの鍵。
PRシリンダーもU9シリンダーも比較的安価で、対ピッキング性能に優れているため庭用にお勧めです。
耐鍵穴破壊性能は、3つのグレードから選べるようになっています。

高性能・高価格タイプ

ハイレベルな防犯性能を求める場合は、30,000円前後で付けられる高性能鍵をお勧めします。

・カバスターネオ

高性能鍵としてよく紹介される製品で、カバエースと同じくスイスのカバ社の製品です。
この鍵の最大の特徴は、所有者情報を登録することで不正な合鍵作成を防ぐ仕組みにあります。
また合鍵の作製は、国内では日本カバ社しかできません。
誰かが鍵を盗み出して合鍵を作ろうとしても、絶対に不可能なシステムなのです。
鍵本体の防犯性能もさることながら、あらゆる不正行為の可能性を潰している最高峰の鍵と言えます。

・マルティロック

カバスターネオと並び、最高水準の防犯性能を持つマルティロック。
イスラエルのマルティロック社製の鍵で、中東で多発するテロなどの犯罪行為に対処するために生まれました。
ピンの中にもう一段ピンを仕込んだWディンプルや、ドリルでの鍵穴破壊にも耐える超高硬度の内部機構が特徴です。
さらに鍵の購入者に発行されるセキュリティカードで、不正な合鍵の作製も防止しています。
ただしマルティロックは、鍵屋がお勧めする鍵で名前が出てくることはほとんどありません。
なぜなら同社の旧式鍵は、「バンピング」という手口に非常に弱いからです。
マルティロックへの交換を検討する際は、バンピング対策が施された新しい製品を選ぶ必要があります。

・ロイヤルガーディアン

国内メーカー・株式会社トーショウビルサービスが製造している、国内最高水準の鍵。
世界で初めて「デッドロック機構」を採用し、ピッキングを完全に不可能にしました。
バンピングやカム送り、ドリル破壊などあらゆる手口に耐える作りで、バランスの良さが際立っています。
また合鍵の作製は、同社の特約代理店でしか出来ません。
総合的に隙が見当たらず、建物の防犯等に関わる会社ならではの作り込みです。

・アルファFBロック

総合鍵メーカーとして知られるアルファの、高水準でまとまっている鍵。
ピッキングを難しくするアンチピッキングピンを採用し、さらに独自機構のフローティングボールがキー側に埋め込まれています。
これによりピッキングにかかる時間は10分以上で、家庭用鍵の耐ピッキング性能に与えられるCP-C認定が付いています。
鍵穴破壊の耐久時間は5分~10分で、合鍵の作製には購入者本人のセキュリティカードが必要です。

4. 場所別・防犯性を高めるための効果的な対策

自宅や店舗、倉庫など、場所ごとに効果的な鍵の工夫は違ってきます。
本項ではそれぞれの場所でお勧めの対策を紹介。
どこにどんな鍵を付ければ防犯効果が高まるのか、いくらくらい費用がかかるのかを見ていきましょう。

自宅・玄関ドア

・ディンプルシリンダーに交換する

自宅玄関の防犯性を高めるのにもっとも簡単な方法は、ドア鍵をディンプルシリンダーに交換すること。
耐ピッキング性能が高く近年普及が進んでいますが、2000年頃までの建物では今でも旧式の鍵が多く使われています。
もしも自宅の鍵が旧式のピンシリンダー・ディスクシリンダーの場合は、ディンプルシリンダーへの交換をお勧めします。
ディンプルシリンダーの交換費用は、部品代のみで15,000円前後からです。

・補助錠を取り付ける

見出し1で説明したワンドア・ツーロックは、メイン鍵の他に補助錠を取り付けることで簡単に実現できます。
補助錠はネジ止めなど工事が必要なタイプと、接着式で工事不要なタイプの2種類。
工事不要タイプは取り外すのが簡単で傷跡も残さないため、賃貸物件でも使えるのがメリットです。
補助錠の追加費用は、簡易タイプの鍵なのか本格的な鍵なのかで大きく変わります。
自力で新規取付する場合、簡易タイプで10,000円以内。
電子式の特殊鍵では、20,000円~40,000円ほどが相場になります。

店舗・会社のドアや通用口

・生体認証鍵を付ける

電気で動く電子錠は、カードキーや暗証番号式のものが比較的によく知られています。
しかし最近では、指紋・声紋・網膜など固有の生体情報を読み取るタイプも一般に普及。
登録者以外の開錠がさらに難しくなっているので、セキュリティ性は最上位ランクと言えます。
ただし、体調の良し悪しや指先のケガなどで認証精度が落ちるので、安定性はいまひとつ。
不正開錠の難しさで選ぶのか、故障や誤作動のリスクを減らしたいのかで、電子鍵と物理鍵を比較検討するのがお勧めです。
生体認証鍵の導入費用は、部品代だけでおよそ50,000円からになります。

ガレージや倉庫などのシャッター

・ディンプルシリンダーを付ける

ピッキングに強いディンプルシリンダータイプの鍵は、玄関ドアだけでなくシャッター扉にも付けることができます。
シャッター扉は構造上非常に脆いので、せめて鍵だけでも防犯性能を高めておきたいところですよね。
シャッター用ディンプルキーの部品代は、目安5,000円前後です。

・補助錠を付ける

一枚のドアに鍵を増やすワンドア・ツーロック方式は、どんな場所でも有効な侵入対策です。
シャッター扉は薄い板が連なっているだけなので、強い力で押すと曲がってしまう弱点があります。
さらにメイン鍵は左右のレールの穴に嵌ることでロックするので、中央の鍵穴付近を強く押して扉を曲げれば、強引にロックを抜くことが可能なのです。
メイン鍵以外に補助錠も付けておけば、シャッター特有の開錠手口を潰せます。
シャッターに鍵を追加する場合は、閉まった時に接地する下端付近がお勧めです。
なぜならシャッター扉の一番下は、鋼材がT字形状に補強されていて折れ曲がりにくくなっているからです。
シャッター鍵の追加費用は、部品代で5,000円前後からになります。

5. 業者に依頼する場合の費用はどのくらい?

ひとつ前の大項目「4. 場所別・防犯性を高めるための効果的な対策」では、それぞれの鍵の部品代を併記しました。
鍵屋に作業を依頼する場合は別途料金がかかりますが、熟練のプロの手による確実な作業は、暮らしの安全を支える鍵にとって欠かせないメリットです。
鍵交換や補助錠の追加など、各種作業を鍵屋に依頼する場合の費用も見てみましょう。
なお業者によって料金設定が異なりますので、ここでは当社の料金を一例として示します。

鍵交換

・シリンダーのみの交換⇒15,000円~

鍵の交換にかかる費用は、「ドアノブまでを含めた錠前一式」なのか、「鍵穴があるシリンダー+キー」のみの交換なのかで相場がかなり変わってきます。
シリンダーのみの交換は手間も部品代も少なく、総額15,000円前後からでできます。

・錠前一式⇒25,000円~

ドアノブまでを含めた錠前一式の交換は、集合住宅によくある面付き錠でおよそ25,000円から。
一般のドア埋め込み式では、28,000円くらいからが目安です。
なお、高性能電子錠の場合はかなり高額な製品もあるので、お電話の際にご相談ください。

新規取付

・補助錠など簡易タイプの鍵追加⇒12,000~

玄関ドアの補助錠や窓サッシなど、簡易式の鍵を新たに追加する場合の費用は、総額12,000円~が目安です。

・錠前一式の新規取付30,000~

ドアノブやキーまでを含めたフルセットの新規取付は、30,000円~が目安です。

その他、鍵開けや合鍵作成などの料金

・鍵開け⇒8,000円~

鍵開けにかかる料金は、鍵の防犯性能によって上下します。
仕組みがもっとも単純な旧式鍵や簡易鍵の場合は、基本料金のみの8,000円~。
防犯性能が高いシリンダーや電子錠などは、30,000円前後からが目安です。
なお、故障や破損がある鍵は作業が複雑になりますので、不具合の程度によって別途2,000円~32,000円の作業料をいただいております。

・合鍵の作製⇒13,000円~

ギザギザの鍵山があるタイプの合鍵は、13,000円。
ハイセキュリティタイプのギザギザ鍵や、板鍵・棒鍵といった珍しいタイプの鍵は30,000円。
特殊なシリンダーの合鍵は50,000円で承ります。

・調整・修理などのメンテナンス⇒8,000円

分解修理や調整・加工などのメンテナンス系の料金は、不具合の程度によって3段階に分かれます。
軽度の作業は8,000円、中程度で20,000円、重度の場合は30,000円です。

6. 鍵だけじゃない!他にもできる防犯の工夫

鍵の性能強化やメンテナンス以外にも、建物の防犯性を強める方法はたくさんあります。
総合的に隙をなくすことが重要で、鍵だけを高性能なものに変えていても他ががら空きでは効果半減!
鍵以外で防犯性を高める方法を紹介します。

ステップ1・敷地に入らせないための工夫

防犯を考える時のコツは、大きく3つのステップに分けること。
「敷地に入らせない⇒建物に入らせない⇒侵入後の被害を抑える」。
このうち敷地に入らせないための工夫は、防犯の最前線とも言えるもっとも重要な対策になります。

・塀や庭木はなるべく低くする

侵入者がターゲットの建物を選ぶ時、最優先で判断するポイントは「周囲から見えにくいかどうか」。
せっかく敷地内に忍び込んでも外から丸見えでは、通報されるリスクが高いからです。
建物を塀などで囲む際は、覗き込めないほど高くしてはいけません。
プライバシーを気にするあまり外から見られることを嫌う人も多いですが、敷地内が見えにくい建物は、緊急時に気付いてもらえる確率も低くなるからです。
不審者がいたらすぐに気付いてもらえるよう、建物の塀や生け垣はなるべく低くしておきましょう。
敷地に樹木を植える場合も、枝葉があまり密集せず、背丈が低い品種を選ぶようにしましょう。

・センサーライトを設置する

建物の外にセンサー式のライトがあると、夜間でも人の接近を感知して自動で周囲を照らせます。
泥棒は明るい場所を嫌うので、敷地内の照明器具は侵入を諦めさせる効果が絶大!
電池式のものが5,000円前後から買えますので、電気代を気にする人にもお勧めです。

・通路に砂利を敷いておく

玄関や勝手口までの通路に、砂利が敷いてある家をたまに見ます。
砂利は風情を出す以外にも、歩く時に音を立てさせることで侵入者を防ぐ効果もあるのです。
泥棒は明かりをとくに嫌いますが、音を立てることも発見されるリスクを高めます。
そのため通路が砂利敷きの家は、見ただけで侵入を諦めさせる効果が期待できます。

・近所付き合いを良くしておく

泥棒がターゲットを選ぶ時、「人付き合いが良い地域を避ける」傾向があるのをご存知でしょうか。
例えば、道を歩いているだけで親しげに挨拶される。
あるいは、どこかの家の様子を窺っているとすぐに声を掛けられる、などです。
泥棒は誰かに顔を見られたり、特徴を覚えられることを極端に嫌います。
隣近所との交流を良くしておくと、万一自宅に不審者がいた場合に気をかけて貰いやすくなります。
「○○さんのお宅の人じゃありませんよね?」などと声がけしてくれる場合もあり、泥棒が入り込みにくい雰囲気を作れるのです。
人を見たら挨拶するという習慣は、社交上プラスになるだけではなく、防犯効果を大きく高める地域ぐるみの有効策と言えるでしょう。

ステップ2・鍵や窓を破られないための工夫

万一敷地に入られた場合、次のステップは建物に入らせないための工夫です。
このステップでは、ドアの鍵や窓に関する対策がカギになります。

・合鍵をポストなどに入れておかない

家族が多い家などで、誰かが外出する時に玄関前に鍵を隠したりしませんか?
プロの泥棒は、ポストの中や植木の陰に鍵を置く家庭が多いことを知っています。
上手く隠したつもりでも、よくあるパターンとして知られているので、全く意味がありません。
鍵は必ず、肌身離さず持っておくようにしましょう。
鍵の数が住人数に足りない場合、出かける人は必ず鍵を身に付けるようにし、鍵のない人は外出を控えるべきです。

・鍵を紛失した場合はすぐ警察に届け出る

鍵をなくしてしまった場合、あなたならどうしますか?
すぐに見つかればいいのですが、見つからなかった場合は要注意!
誰かに拾われて悪用されたり、ストーカーに盗まれて合鍵を作られたりする事例も少なくないからです。
鍵をなくしたことに気付いたら、まず自宅内や着衣などを手早く探す。
探しても見つからなければ、その日のうちに警察に届け出るのが安全です。
取得物として届けられれば連絡が入りますし、見付からなかった場合でも、付近のパトロールを強化してもらえる場合があるからです。
また、なくした鍵の悪用リスクを減らすためにも、なるべく早く鍵を交換することをお勧めします。

・2階以上にある窓も必ず鍵をかけておく

建物の2階以上にある窓は、侵入時に転落のリスクがあるため無警戒な家が多いです。
ところが現実には、マンションで10階以上の部屋のベランダから侵入された事例もあり、「高さ=安全性」とは言い切れません。
1階のドアや窓だけでなく、全ての階の窓で必ず鍵をかけておくようにしましょう。
高層ビルをよじ登るクモ男のような泥棒は、テレビや映画の中だけではないのです。

・ハシゴや脚立などの足場を家の外に出しておかない

ハシゴや脚立などの足場を家の外に出しっぱなしにしておくと、2階の窓やベランダから侵入されるリスクが増します。
使わない時は家の中にしまっておく、または鍵のかかった物置やガレージに収納するクセをつけましょう。

ステップ3・侵入された後の工夫

建物に侵入されてしまった場合は、中にある金品や居合わせた人の安全を確保しなければなりません。
防犯上最後の砦になるステップですので、とくに慎重に対策を考える必要があります。

・侵入者に気付いてもすぐに声をかけてはいけない

空き巣や強盗事件の中には、侵入者に気付いて声をかけた家人が襲われた事例があります。
侵入先で気付かれた泥棒は、声を掛けられた時の行動パターンが2種類あります。
1つは、気付かれたと知って即座に逃げ出す。
もう1つは、後で通報されないように口封じに走るパターンです。
とくに外国人犯罪の場合は、手口の残忍性が目立つという特徴があります。
気付かないふりや寝ているふりをするほうが、気付いたことを知られるよりも襲われるリスクが低いのです。
一人で留守番をしていた子供が物音に気付いて声をかけ、焦った犯人に襲われて命を落とした事件もあります。
侵入者に気付いたことを知られるのは、必ずしも逃走を促すメリットばかりではないことを覚えておいてください。

・電話の親機を寝室に置いておく

親機と子機に分かれて使う電話機は、親機のほうをリビングに、子機を寝室などに置く家庭が多いですよね。
ところが、用心深い侵入者は電話機の電源を切って連絡手段を断つことがあり、リビングの親機を切られると子機も使用不可能になります。
空き巣は日中の時間帯が多いですが、空き巣以外の夜間侵入に備え、寝室に親機を置くようにしましょう。
また、平成以降の若年世代の方などは、固定電話を持たずに携帯電話やスマートフォンで間に合わせる傾向があります。
在宅時でも携話・スマホを肌身離さず、就寝時はすぐ手の届く場所に置いておくと安心です。
急な体調変化などへの備えも兼ねて、手を伸ばせばそのまま届く位置がお勧めです。

・タンスなどの引き出しや冷蔵庫に貴重品を入れない

一般家庭の中には、泥棒に備えて貴重品の隠し場所を工夫する家もありますよね。
しかしプロの泥棒は、貴重品の保管場所のパターンも熟知しています。
タンスや机の引き出し・冷蔵庫・仏壇などが代表例で、「ここなら見つからないだろう…」といった思い込みは厳禁です!
家庭用金庫や貸金庫に保管できれば安心ですが、金庫以外で貴重品を保管する場合は、以下の場所がお勧めです。
 ◇トイレの水槽タンク
  ⇒濡れないようにビニール袋で密封し、蓋の裏などにテープで貼り付ける
 ◇布団やクッションの中
  ⇒チャックや結び目を開けた内側に入れておく 
 ◇厚手の本をくり抜いて中に入れる
  ⇒ただ挟んでおくだけでは隙間が開いて見破られる
泥棒が貴重品を探す場所を絞っているのは、探す時間がムダに多いと逃走しにくくなるためです。
探すのにひと手間かかるような場所が、泥棒に敬遠されやすいことを覚えておきましょう。

空き巣に遭わないために!防犯性の高い鍵・まとめ

鍵には非常に多くの種類がありますが、そらぞれの特徴や正しい扱い方を知っていてこそ性能を活かせるものです。
今自分が使っている鍵はどんなタイプか、今の鍵よりも強い鍵はどれなのか?
今の鍵の安全性能をさらに引き出す活用法はあるのか?
当社のコラムで正しい知識を身に付け、家や事務所、店舗の防犯体制を総合的に見直しましょう。
鍵以外でできる防犯の工夫も知っておき、万が一の際の被害を最小限に抑えられるよう、抜け目なく準備を整えておいてください。

当社サイト・記事監修スタッフのご紹介

当社「鍵のかけつけ本舗」のサイトでは、鍵トラブルでお困りの全ての方に累計実績12万件のプロの知識をお届けしています。
鍵トラブルの解決をきっかけに、お客様の暮らしの安心・安全に広く貢献できれば幸いです。

【当社サイトのコンセプト】
鍵屋の仕事は専門性が高く、一般の方にとっては不透明な部分が多いものです。
当社のサイトは、鍵屋に対する「わかりにくさ」や「不安な部分」を徹底解消。
「わかりやすくて安心」に変えるのがコンセプトです。
鍵屋にご依頼いただく際の料金や、対応できる内容など。
これまではわかりにくかった鍵屋の世界を、わかりやすく丁寧にお伝えしていきます。

【記事監修者】
島田 宏幸(しまだ ひろゆき)
1964年生まれ。富山県出身。主任錠前技術者。
「鍵のかけつけ本舗」創業時より在籍している、まさに熟練のプロ職人。
これまで警察の捜査に伴う開錠や、金融機関における業務用金庫の開錠など、数多くの鍵トラブルを解決してきた。
今も現役で現場作業に携わるほか、教育担当としても後輩社員の指導や育成を行っている。
趣味は釣り、料理。