玄関ドアのオートロック・スマートロックの後付け方法をプロが解説

  • 後付け
公開日
最終更新日
記事監修者画像

【記事監修者】

島田 宏幸(しまだ ひろゆき)

主任錠前技術者

おすすめ情報 サムネイル画像

金属キーを持ち歩かなくても、自動で鍵を開け閉めできるオートロックやスマートロック。
便利さやカッコよさで導入する家庭が増えており、「我が家もいつかは…」と憧れる方も多いでしょう。
今回は、住宅の玄関ドアにオートロック・スマートロックを後付けする方法を解説します。
さらに、鍵のプロがお勧めする製品や、実際に導入されたお客様の声もご紹介します。

1. 玄関にオートロックを後付けするメリット

オートロック鍵の便利さやスマート感は、ほとんどの方がホテルや商業ビルなどで体験済みかも知れませんね。
ですが一般にはあまり知られていない機能もあり、知れば知るほど使いたくなる魅力を秘めています。
さらに深くオートロック鍵の良さを知っていただくために、どんなメリットがあるのかを詳しく説明します、

オートロック鍵のメリット

・ピッキング被害の心配がない

鍵穴に金属キーを刺す従来の鍵は、ピッキングと呼ばれる開錠手口でこじ開けられる弱点がありました。
オートロックは基本的に鍵穴を使わないので、ピッキング手口の防止に絶大な効果を発揮します。
電池切れなどの緊急時に鍵穴を使って開けることはできますが、ピッキング防止の観点から、鍵穴が外から見えにくいように隠される製品が多いです。

・鍵の閉め忘れがなくなる

外出時にうっかり鍵を閉め忘れ、帰宅して気付いた際に冷や汗をかいた経験はありませんか?
オートロックは家を出る時に自動で鍵がかかるので、鍵を締め忘れる心配もありません。

・鍵を持ち歩いて紛失する心配がない

暗証番号や指紋認証などで開けられるタイプのオートロックは、鍵を持ち歩く必要がないのがメリットです。
鍵屋への相談でよくあるケースは、鍵の紛失による解錠依頼。
故障や誤作動による解錠依頼の件数を上回っており、鍵をなくしてしまう人がいかに多いかわかります。

・手がふさがっていても鍵の開け閉めが可能

荷物を抱えている時や赤ちゃんを抱っこしている時など、手を使って鍵を開けるのが難しいこともありますよね。
こんな時でも、オートロックならハンズフリーで鍵の開閉ができます。

・鍵の開閉履歴を確認可能なモデルもある

電子部品を使わない従来の鍵の弱点は、「いつ誰が開け閉めしたのかわかりにくい」ことでした。
オートロックやスマートロックはIT機器の性能を活かし、鍵の開閉履歴を確認できる製品もあります。
普段家族が出入りしない時間帯に開閉された記録があるなど、不審な出入りをチェックするのが簡単です。

・火災などの室温上昇で自動開錠するものもある

火災発生時に室温が一定以上上昇すると、安全機能で自動的に鍵が開くタイプの製品があります。
これは居住者にとって非常にありがたいシステムですが、外部から消防などの救助隊が入る場合に、玄関開錠の手間をなくして素早い救助を可能にするメリットが大きいです。

2. 玄関にオートロックを後付けするデメリット

どんな鍵でも、必ずと言っていいほどメリット・デメリットが共存しています。
メリットばかりでなくデメリットも考えなければ、せっかくの鍵が無駄になってしまうかも知れませんよね。
オートロック・スマートロックにはどのようなデメリットがあるのか、詳しく見ていきましょう。

オートロック・スマートロックのデメリット

・電池切れによる停止、動作不良

電力を使って動く電子機器になるため、電池切れや停電などで動かなくなる弱点があります。
鍵穴を使う従来の金属鍵は、引っ掛かりや動きの渋さなどの物理的な原因しかありませんよね。
後付け可能なオートロックは、配線工事の必要がなく内蔵電池で動く仕組みです。
そのため長く使っていると、電池が減ったり切れたりして動かなくなるトラブルが多発します。
電池の残量を示すインジケーター付きの製品もありますが、普段から注意して確認しないと見逃してしまうこともあります。

・鍵を忘れると締め出されることがある

オートロックの最大の特徴は、名前の通り「自動で鍵がかかる」ことです。
ですが外から鍵を開ける時は、解錠するための条件が付きます。
ギザギザの金属キーやカードキーで開けるタイプは、家に置き忘れたまま玄関を出てしまうと締め出されるデメリットがあります。

また、スマートフォンで操作するスマートロックには、ドアを閉めると自動で鍵がかかるオートロック機能付きのものがあります。
このタイプで家にスマホを忘れたまま出かけてしまうと、解錠操作できず閉め出されるリスクがあります。

・シリンダー鍵よりも費用が高くなりやすい

オートロックには電子部品が使われているので、仕組みが高度で複雑なぶん設置費用が高めです。
後付け可能なタイプは比較的安く導入できますが、配線工事が必要な高性能なタイプになると、部品代だけで10万円近くかかることもあります。

3. 製品選びで失敗しない!自分に合ったオートロックの選び方

後付け可能なオートロックやスマートロックは、用途に合わせて豊富なタイプがラインナップされています。
「どれも似たような仕組みだから…」と安易に選んでしまうと、後で思わぬトラブルに泣かされることもあるので要注意!
どんなタイプの製品がどんな場合に向いているのか、それぞれ詳しく解説します。

とにかく楽に操作したい場合

・ハンズフリー機能が付いたタイプ

ショッピングなどでたくさん荷物を持ち帰ることが多い……
怪我や障碍で手を使うのが難しい……
こんな人には、いちいち手を使わずとも操作可能なハンズフリーが便利です。
電子装置が組み込まれた専用キーを近づけると自動的に鍵が開き、両手がふさがっていても操作不要で解錠できます。

・スマートロック

スマホで遠隔操作するタイプのスマートロックも、ギザギザの金属鍵を使うよりは操作が楽です。
今やスマホは人間の生活に欠かせないアイテムなので、従来の鍵と違って「鍵を家に置き忘れて閉め出された…」といった心配が少なくなります。
小さな鍵はなくしやすいですが、重要機能がたくさん付いているスマホは、忘れたりなくしたりといったトラブルがそれほど多くありません。

防犯性を重視したい場合

・暗証番号で開けるタイプ

オートロック式の鍵は、ドアを閉めた時に自動でロックがかかります。
ですがドアを開ける際には。防犯上の観点から解錠条件が設定されています。
テンキー式で暗証番号を使うタイプは、正しい番号を知らなければ開けることはできません。
対応キーやスマホを近づけて解錠できるタイプは、キーやスマホを盗まれるとそのまま家に侵入される恐れがあります。
ですが暗証番号で開けるタイプは、番号を知られない限り不正解錠されないところがメリットです。

家族や従業員など大人数で使う場合

・マルチデバイス対応型、オプション充実型

1人暮らしや少人数の世帯であれば、鍵の解錠方法を統一するのは簡単ですよね。
ですが、大家族の家や複数の従業員が出入りするドアは、使用者全員が問題なく鍵を開けられるための配慮が求められます。

マルチデバイスと呼ばれるタイプは、スマホ・カードキー・専用リモコンなど複数の対応デバイスで解錠可能なオートロックです。
またオプションで、暗証番号用のテンキーやリモコンキーを追加できるものもあります。
使う人の事情や得意・不得意に合わせて、複数の解錠手段があるタイプを選びましょう。

4. 玄関にオートロックを後付けする方法

オートロック・スマートロックを実際に後付けする場合、「自力でやるのか?or業者に依頼するのか?」で手間や費用が変わります。
後付け可能なタイプは基本的に工事不要ですが、どんな鍵を後付けしたいのかで難易度が変わります。
自力交換する方法と、業者に依頼する方法を解説します。

自力で取り付ける

・両面テープで貼り付ける、またはネジで留める

後付け鍵は、誰でも簡単に取り付けられるものが多いです。
既存の鍵穴やサムターン(室内側ツマミ)を利用して、上からかぶせる形で取り付ける方式が採用されています。
このタイプの後付け鍵は、取扱説明書に従ってテープで貼る、またはドアに穴を開けてネジ留めすることで取り付けられます。

取り付けの際の注意点は、
◇既存の鍵のメーカー名と品番をメモしておく
⇒対応可能な鍵を探しやすくなる
◇事前にドアの厚みを測っておく
⇒厚過ぎたり薄過ぎたりすると取り付けできない場合がある
◇ドアの装飾など凸凹が多いかどうか確認しておく
⇒凹凸が取り付けの邪魔になることがある

上記の3点です。
これらの準備や確認をせずに新しい鍵を買ってしまうと、取り付けられず出費がムダになることがあります。

業者に依頼する

・取り付け可能な製品がわからない場合

当社で扱った鍵トラブルの依頼で、「合わない鍵を無理につけて動かなくなった」ケースがありました。
鍵はとても精密な仕組みなので、取り付け位置がほんの数ミリずれただけでも正しく動かないことがあります。
サムターンの形状やサイズが合わずに、後付け鍵が上手く嵌らない、正しく施錠解錠できないといったケースが多いです。

後付け可能な鍵がわからない場合は、無理せずプロの鍵屋に依頼しましょう。
鍵屋は鍵の知識だけではなく、鍵を取り付けるドアの知識も豊富です。
お客様の条件に合う製品を、豊富なラインナップの中から的確にお勧めしてくれます。

・電気工事が必要な場合

電池ではなく配線で電力を引く電気錠は、鍵の交換作業の他に電気工事も必要です。
簡易式よりもガッチリした鍵が欲しい場合などは、電子錠だけでなく電気錠も選択肢に入ってきます。
電気錠の取り付け工事は、プロの業者に依頼するのが安全です。

・自力での取り付けが補償対象外になる場合

オートロックやスマートロックの製品には、「メーカーまたは指定店以外での取り付けは保障対象外」になるものがあります。
これは購入者自身の自力設置も含まれており、メーカーが認めた業者以外の取り付けでは、不具合があっても保証されません。
プロの鍵屋はこうした製品があることも知っていますし、どの製品なら補償範囲で取り付け可能かも熟知しています。
いざという時に保証外で泣かされないよう、少しでも不安があれば鍵屋に依頼することをお勧めします。

5. プロがお勧めする後付けオートロック3選

本コラムの最後に、当社でオススメしているオートロック・スマートロック製品をご紹介します。
いずれも多くの住宅で導入された事例があり、知名度や評価が安定している製品です。
各製品のユーザーレビューも紹介しますが、高評価レビューだけでなく気になる点のレビューも記載しています。
どの製品もメリット・デメリットがありますので、自分に合った製品選びの参考にしてください。
価格については、メーカー公式ページの掲載価格を表示しています(2021年8月現在)。

・お勧めの後付けオートロック・特徴とユーザーレビュー

Qlio Lock Q-SL2(本体価格25,300円)

国内メーカー・SONYのグループ会社で開発されたQlio Lockは、見た目のスマートさと
多機能感が人気の後付けオートロックです。
テープ接着式で取り付け・取り外しが簡単なので、賃貸物件でも導入しやすいメリットがあります。
オートロック・ハンズフリー解錠機能付きで、面倒な操作をせずに楽に使えるのが便利です。

解錠等の各種操作は、
◇専用アプリをインストールしたスマートフォン
◇別売り専用リモコン(4,950円)
◇アレクサと連携した音声操作
◇Apple Watchを使った施錠・解錠
◇Nature Remo 3 を使った操作

の方法が用意されています。

なお一部の操作や機能は、別売りの「Qlio Hub(9,680円)」 が必要です。
スマホ・専用リモコンは、最大20台まで登録できます。

【Qlio Lock Q-SL2 のユーザーレビュー】
〇ハンズフリー解錠を自宅で実現できて便利
〇デザインが良い
〇国内メーカーなので安心感がある

×不便なく使うためには細かい設定が必要
×専用リモコンやQrio Hub の値段が高め
×ハンズフリー解錠が反応しにくいことがある

公式サイト
https://qrio.me/smartlock/

SESAME3(本体価格6,380円)

「開けゴマ!」を実現したSESAME3は、後付けオートロックとしてはかなり安価なのが特徴です。
コストパフォーマンスの良さに定評があり、メーカーのサポート姿勢も高く評価されています。
取り付けはテープ接着式で、手軽に設置・取り外し可能です。

各種操作は、
◇専用アプリをインストールしたスマートフォン
◇Googleアシスタント・Siri・アレクサを利用した音声操作
◇スマホをポケットに入れたままノックするノック解錠
◇Widgetを使った操作
に対応しています。

SESAME3のもう一つの特徴は、別売りのWifiモジュール(2,178円)導入時の反応の良さ。
他社のオートロック・スマートロックが動作しにくかったユーザーも、「SESAME3に変えてから動作が早くなった」と高評価を寄せています。

【SESAME3 のユーザーレビュー】
〇とにかく安くてコスパ最高
〇メーカーのサポートや製品アップデートなどの姿勢に好感が持てる
〇操作が早くて快適

×説明書がイラストのみでわかりにくい
×作動時のモーター音が大きくて気になる
×シリーズ最新型のSESAME3がメーカー公式サイトでしか買えない

公式サイト
https://jp.candyhouse.co/

EPIC ES-F500D(本体価格49,280円)

今回お勧めする製品の中では最も高価格ですが、値段に見合うだけの高性能・多機能な後付けオートロックです。
取り付けは穴あけ工事が必要で、自力作業が苦手な人には少し難しいかも知れません。
テープ接着式の製品と比較すると、がっちり取り付けられる安心感が優れています。

この製品のメリットは、火災時に高温を検知するとアラームを鳴らし、自動で解錠される安全機能が付いていること。
そしてもう一つは、不正解錠を検知すると警報音が鳴り響くセキュリティ機能があることです。
普段使いの便利さだけでなく、緊急時の安全性も配慮されています。

操作方法は、下記のように複数の解錠手段が用意されています。
◇専用アプリをインストールしたスマートフォン
◇暗証番号(4~12桁で1種類)
◇指紋認証(最大100指登録可能)
◇ICカード(Ferica、MIFARE CLASSIC規格。最大200枚登録可能)
◇一時的にキーを付与するワンタイム暗証番号機能

価格は少々高いですが、多機能・高性能・安心感をハイレベルで実現しているお勧めのオートロック製品です。

【EPIC ES-F500D のユーザーレビュー】
〇多機能で、操作履歴も確認できるのが良い
〇思ったよりも取り付けが簡単
〇事務所や会社など事業所にマッチする

×音声が英語のみで日本語に対応していない

オートロック・スマートロックの後付け方法 まとめ

金属キーの携帯や煩雑な操作から解放される後付けオートロックは、電子機器の特性を生かした高性能がウリです。
ですが精密機器特有の弱点もありますので、欲しい機能や予算に合う製品をしっかり見極めるようにしましょう。
当コラムで紹介した3製品は、オートロック初心者の方には特にお勧めの代表的な製品です。
他にもたくさんの後付けオートロックがありますので、インターネットで情報を集めながら最高の製品を探してみるといいでしょう。
電子機器特有のトラブルや通信障害トラブルが多いので、安全で快適なオートロック生活を楽しむためにも、注意事項をしっかり頭に入れておいてください。

 

【記事コンセプト】
玄関を出ると勝手に鍵がかかり、帰宅時には自動で鍵が開いてくれる……
オートロックの便利さは説明するまでもありませんが、表向きのメリットを見ているだけでは、電子機器特有のトラブルに泣かされるリスクがあります。
鍵に関する正しい知識を多くの方に知っていただき、皆様の暮らしの安全・安心に役立てていただくことが当サイトの願いです。
どんな鍵にも必ずあるメリット・デメリットや、取り扱い上の様々な注意点などを、プロの知識と豊富な現場経験を基にお届けします。

 

東京・千葉・埼玉・神奈川・茨城・大阪・京都・奈良・兵庫・滋賀 
鍵のトラブルに即対応!
最短15分で
到着します!

通話料無料! 24時間365日受付中!

0120-549-357

※お問合せ前に必ずプライバシーポリシーをご一読ください

当社サイトのコンセプト

創業以来の鍵トラブル解決実績・累計12万件以上。
当社へのご依頼をお考えの方から、今現在鍵のトラブルでお悩みの方まで、多くの方に安心・安全をお届けしているサイトです。

鍵屋というのは、一般の方には少々親しみにくい業種です。
セキュリティに関わる特殊な技術、根拠がわかりにくい料金設定や追加請求……
情報提供も料金のご案内も、不透明で不明瞭な部分がいまだに多く残っています。
当社のサイトでは、お客様の端末の画面を通して

◇今その場で欲しい情報をもれなく提供
◇気になる料金設定をもれなくご案内

させていただくことを目指しています。

サイト画面の情報が何かのお役に立ちましたら、ぜひお電話でのご相談もご検討ください。

記事監修者画像

記事監修者

島田 宏幸(しまだ ひろゆき)

記事監修者

島田 宏幸(しまだ ひろゆき)

1964年生まれ。富山県出身。主任錠前技術者。
「鍵のかけつけ本舗」の創業時より当社に在籍。
これまで警察の捜査に伴う開錠や、金融機関における業務用金庫の開錠など、数多くの鍵トラブルを解決してきた。
今も現役として現場作業に携わるほか、教育担当として後輩社員の技術指導や育成も担う。 趣味は釣り、料理。

運営会社情報

  • 会社名

    :株式会社ライフ&テクノロジーズ

  • サイト名

    :鍵のかけつけ本舗

  • 代表者

    :水野辰章

  • 住所

    :〒261-0023

     千葉県千葉市美浜区中瀬1-6

     エム・ベイポイント幕張ビル10階