鍵が空回りする時の対処法をプロが解説!原因や修理費用は?

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【記事監修者】

島田 宏幸(しまだ ひろゆき)

主任錠前技術者

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「鍵は回るのが正常」、と思っていませんか?
確かにシリンダー錠はキーを鍵穴に刺して回すことで操作しますが、実は鍵の不具合には空回り、つまり不必要に回り過ぎて開かないトラブルもあるのです。
今回は、鍵が回るけど開かない、回るけど閉まらないなど、空回りしてしまう場合の原因と対処法、修理・交換にかかる費用の目安を解説します。
今現在鍵の空回りでお困りの方も、今は特に問題ないけど先々のトラブルを想定しておきたいという方も、ぜひ参考になさってください。

1. 鍵が空回りする原因

鍵が刺さらない・回らないなどのトラブルには、必ず何かの物理的な原因があるものです。
これは空回りする場合も例外ではなく、部品の劣化や破損が原因で発生します。

鍵はこんな原因で空回りする

・予備知識:鍵が動作するための3ステップ

原因の解説に入る前に、予備知識として「鍵が正しく動作する仕組み」を大まかに解説します。
鍵の施錠や解錠は、次の3つのステップで成り立っています。

① キーを鍵穴に刺して回す
② シリンダー内筒の回転がドア板内部の箱錠(基幹部品)に伝わる
③ 箱錠内部でドアロック用のかんぬき(デッドボルト)が動いて施錠・解錠される

これらのステップのうちどこか1箇所でも不具合があると、キーの回転がデッドボルトに正しく伝わらなくなり、鍵を開けることも施錠することもできません。
鍵が空回りして開かないトラブルも、上記のうちどこか1箇所、または複数個所の不具合が原因です。

・カムの摩耗や破損

鍵穴があるシリンダー部品の後部には、「カム」と呼ばれる板状部品が付いています。
キーを刺して鍵穴を回すとカムも回転し、このカムの回転で箱錠に回転力を伝える仕組みです。
マイナスドライバーでマイナスネジを回すようなもの、と思っておいてください。

カムが経年劣化で摩耗したり破損したりすると、ドライバーの先端が欠けたような状態になるので箱錠に回転力が伝わりません。
このためシリンダーだけが空回りし、箱錠は全く動いていないため鍵が開かない、閉まらない不具合が起こるのです。

・キー先端部分の摩耗や欠損(MIWAディスクシリンダー)

このケースは、「MIWA(美和ロック)」というメーカーがかつて製造していた旧式鍵・デ
ィスクシリンダー錠で発生しやすいトラブルです。
一般的なシリンダー錠はシリンダー後部にカムが付いているものですが、MIWAのディスクシリンダー錠にはカムがなく、代わりにキー先端の出っ張りがカムの役割を果たしています。
そのためキーの先端が摩耗したり欠けたりすると、回転力を箱錠に伝えることができません。

・箱錠部品の摩耗や破損

鍵が動作する3ステップのうち最終ステップにあたるのが、ドア板内部に埋め込まれた基幹部品の「箱錠」です。
箱錠の内部部品に摩耗や破損等の異常があると、カムの回転力がデッドボルトに伝わらず、鍵は回るのに開かない・閉まらないトラブルが発生します。

箱錠自体は一般の方でも交換可能な部品ですが、内部の劣化状態については専門業者が分解しないとわかりません。
そのため一般の方にとっては「発生するまで気付かない厄介なトラブル原因」、と言えるでしょう。

2. 鍵が空回りした時の対処法

素人の方には解決が難しそうな鍵トラブルも、ちょっとした応急処置で改善されることが多いです。
ですが鍵の空回りは他の鍵トラブルとは勝手が違い、自分でできる対処法が限られているので注意しましょう。

もしも鍵が空回りして開かなくなったら

・基本的に自力対処は難しい

当社コラムでも他社コラムでも、様々な鍵トラブルの対処法を紹介させていただいております。
ですが既に書いたように、鍵が空回りする場合は少し状況が変わってきます。
なぜ空回りトラブルが別扱いなのかと言うと、「鍵が開かなくなる原因が通常とは逆」だからです。

「キーが鍵穴に刺さらない」「キーを刺しても鍵穴が回らない」「キーを失くして開けられない」パターンは、鍵トラブルではよくあるケース。
そしてこれらのトラブルには、「鍵を回せないため開けられない」という共通の原因があります。
ところが鍵の空回りは、回せないのではなく「回せるのに開かない」わけですから、原因も対処法も全く違ってくるのです。
ざっくり言うと、「本来あるべき引っ掛かりがなくなった」ことで、鍵を動かせなくなるわけですね。

・合鍵を使ってみる

キーの先端がカムの役割を兼ねているMIWAのディスクシリンダー錠は、今使っているキーの摩耗や欠損も原因として考えられます。
合鍵が手元にあるなら、その合鍵で鍵が正しく動くかどうか試してみましょう。
合鍵を使っても空回りする場合は、カムまたは箱錠の不具合に原因が絞られます。
他にできる自己対処は、「シリンダーを脱着し直す」くらいしかありません。

・シリンダーを脱着し直してみる

シリンダー錠はシリンダー部品のみの交換が可能で、わざわざ一式交換しなくても不具合の解消や防犯性能の強化が可能です。
当サイトでもシリンダーの交換方法をご紹介していますが、もしも以前にシリンダーのみを交換していた場合は、一度シリンダーを取り外してから再度付け直してみましょう。

鍵はとても精密でデリケートな部品なので、取り付けにミスがあると正しく動作しなくなります。
特に一般の方の自力作業は手違いが発生しやすいので、本来噛み合うはずのカムと箱錠が正しく結合していない可能性があります。
取り付け作業のミスで鍵が動かなくなるトラブルは、決して少なくありません。
悪質な鍵屋の中には、中途半端な作業で不具合を起こすトラブルケースもあるほどです。
交換後に少しでも違和感や不具合があったら、取り付け作業をやり直して再度動作を確認しましょう。

・それでも直らない場合 ⇒ シリンダーや箱錠を交換する

「合鍵を使う」「シリンダーを付け直す」方法でも空回りが直らなければ、シリンダーや箱錠を新しいものに交換するしかありません。
DIYに慣れている方であれば、新しい部品を用意して自力交換することも可能です。
当サイトのコラムでは、シリンダーや箱錠の取り外し・取り付け手順を詳しく解説しています。
自力での原因確認や交換作業に不安がある方は、プロの鍵屋に依頼されることをお勧めします。

参考:当サイト内コラム(おすすめ情報>鍵のご状況で探す>交換)
玄関の鍵の交換方法~失敗しないためのコツや費用をプロが解説(*室内ドア鍵対応)
https://kagi-lt.jp/recommend/detail/4410/

3. 鍵が空回りした時にやってはいけないNG行動

鍵に関するトラブルは、暮らしの中でも特に不便さや不安感を感じやすい部分ですよね。
そのためつい焦ってしまい、NG対処してしまう方が多いです。
やってはいけないNG行動をしっかり頭に入れておき、いたずらに事態を悪化させないよう冷静に対処しましょう。

鍵の空回りでやってはいけないこと

・鍵穴用以外の潤滑剤を使う

クレ556などの一般用潤滑剤を鍵穴に吹き付けてはいけません。
鍵穴内部はとても複雑な構造なので、液状や油状の潤滑剤が排出されずに滞留し、中で固着してゴミやホコリを固めてしまうからです。
固着したゴミやホコリは異物となり、鍵の動作を妨げるトラブルの原因になります。

鍵穴用の潤滑剤はサラサラしたパウダー状で、固着する心配がありません。
インターネット通販で探す場合は、「潤滑剤 鍵穴用」のキーワードで検索。
ホームセンターなどで購入する場合は、店舗スタッフに「鍵穴用の潤滑剤が欲しい」と告げましょう。

・無理に動かそうとする

鍵トラブルで特に多く見られるNG行動は、「力任せに無理矢理動かそうとする」ことです。
玄関やロッカー、金庫などの扉が突然開かなくなると、誰でも焦ってしまいますよね。
鍵は精密部品の集合体なので、無理な力をかけてしまうと破損や変形などのトラブルを招きます。

鍵が空回りする場合、回転部に引っ掛かりを感じるまで何度もガチャガチャ回してはいけません。
優しい力で数回回してダメなら、鍵屋に点検修理を依頼するか、部品の交換を検討するべきです。

・強い衝撃を与える

ハンマーなどで鍵穴周辺を叩いたりすることも厳禁です。
家電製品の調子が悪い時に、パンパン叩いて直そうとする人を見たことはありませんか?
これは昔の家電製品でよく行われていた応急処置で、衝撃を与えることにより部品の接触不良を一時的に解消するようなやり方です。
ところが今の製品はデリケートな部品がたくさん使われていますから、衝撃を与えると逆に壊れてしまいます。
鍵も精密部品であることを忘れてはいけません。

・無理に分解しようとする

専門知識がない一般の方が、自分で鍵を取り外せる範囲は限られています。
「シリンダー・ドアノブ・箱錠」といった部品単位での脱着が限界で、各部品をさらに細かく分解するのはちょっと無理があります。
当サイトのコラムで解説している鍵交換の方法は、一般の方にもできる範囲の手順のみ記載しています。
コラムで説明していない部品ごとの分解・修理は、素人の方は絶対にやってはいけません。

鍵屋で依頼を受けて作業する場合、部品に故障や不具合があると作業料金が高くなってしまいます。
通常の手順で作業することが難しくなり、特殊な機材や工程が必要になるからです。
また、部品に異常があると壊さずに開けることも難しく、新しい鍵への交換など余計な費用が発生してしまいます。
依頼費用をなるべく安く抑えるためにも、一般の方が無理に自力作業することはお控えください。

4. 鍵の空回りを防ぐためのメンテナンス

鍵トラブルは、普段のちょっとした配慮で予防できます。
耐用年数(一般鍵では10年程度)を過ぎているような場合は別ですが、日常のメンテナンスで鍵の寿命を延ばせるのです。
一般の方にも簡単にできるメンテナンス方法をご紹介します。

やっておこう!簡単にできるメンテナンス

・鍵穴やキーを掃除する

長く使っている鍵は、鍵穴にゴミやホコリ、砂粒などが入り込んで異物トラブルを起こすことが多くなります。
また手持ちキーも、細かいゴミやベタつき汚れが付着して鍵穴トラブルの原因になることがあります。

掃除機のノズルの先を鍵穴に押し当てながら異物を吸い出す、またはエアダスターで吹き飛ばす方法で、鍵穴内部の異物を定期的に除去しましょう。
キーの掃除は、柔らかいブラシで鍵山のギザギザや窪みを掃除し、布などで表面の汚れを拭き取ります。
異物や汚れを除去しておくことは、動作時のムダな引っ掛かりをなくして鍵の負担を和らげる効果的なメンテナンスです。

・鍵穴用潤滑剤を吹き付ける

鍵穴の掃除と一緒に鍵穴用の潤滑剤を吹き付けておけば、さらにメンテナンス効果が高まります。
年数が経っている鍵は潤滑剤切れで摩擦が大きくなっているので、そのまま使い続けると摩耗や破損、変形などのトラブルにつながります。

鍵穴用潤滑剤をすぐに用意できない場合は、「鉛筆の芯の粉を削ってキーにまぶす」方法で代用しましょう。
○Bの鉛筆で数字が大きいものの芯には、金属に付着すると潤滑効果をもたらす黒鉛が多量に含まれています。
鉛筆の芯を削る際は、木くずなど余計な異物が混ざらないように注意し、芯だけをなるべく細かく粉末状にするのがポイントです。
削った粉をキーにまぶして鍵穴に抜き差しすれば、黒鉛の潤滑効果が鍵穴内部に行き渡り、部品の動きをスムーズに保つことができます。

・できるだけ弱い力で操作する

これはメンテナンスとはちょっと異なりますが、普段の取り扱い方で鍵の寿命を長くする方法です。
キーを抜き差ししたり回したりする時に、ムダな力が入って乱暴気味に扱ってしまうことはありませんか?
金属製で頑丈そうな鍵であっても、長く使い続けるとどうしても負担が重なり、摩耗や破損、変形などの不具合を起こしやすくなるものです。
特に乱暴な取り扱いは、さらに余計な負担を増して寿命を縮めるNG行動!
鍵はなるべく優しく扱い、引っ掛かりなどの違和感があっても無理な操作をしないよう注意しましょう。

5. 鍵を交換する場合の費用相場

鍵を交換することになった場合、一番気になるのは費用面かもしれませんね。
予算次第で新しく付けられる鍵の種類が決まってくるので、いざという時に慌てないよう交換にかかる費用の目安を知っておきましょう。

方法別・鍵交換の費用

・自力交換:シリンダーのみ ⇒ 3,000円~10,000円

一式交換ではなくシリンダーのみを自力交換する場合、かかる費用は交換用シリンダーの部品代だけです。
シリンダーの部品価格は、防犯性能と価格のバランスが良いタイプで3,000円前後から。
ピッキングに強いディンプルタイプのシリンダーは5,000円~10,000ほどの範囲で購入できます。

・自力交換:錠前一式 ⇒ 2,000円~80,000円

シリンダーのみと比べて費用の上下幅が広いですが、これは室内ドア用から玄関ドア用まで、一式交換可能な鍵の種類が豊富なためです。
室内ドア用の鍵は2,000円前後から買うことができ、玄関ドアに多い電子錠は平均価格が30,000円~40,000円ほど。
高いものでは80,000円前後の鍵もあります。

なお「電子錠」は、配線を引かずに電池で動く仕組みの錠前、という意味です。
配線工事が必要なタイプは「電気錠」と呼ばれ、電気工事の知識がある業者でなければ作業できません。

・業者に依頼する場合 ⇒ 13,000円~100,000円

業者に交換を依頼する際の費用は、部品代の他に「出張料金+作業料金」がかかります。
新しく取り付けたい鍵を自前で用意する場合は、部品代抜きで総額10,000円~13,000円ほどが料金相場。
新しい鍵も一緒に購入する場合は、室内ドア用の2,000円前後ものから、玄関ドア用の80,000円前後のものまでが想定範囲に含まれます。
そのため総額費用の目安は、13,000円~100,000円です。

一般住宅の玄関ドアの鍵交換では、総額30,000円前後に収まるケースが多いです。
よほど高性能な鍵を希望しない限り、100,000円近い高額料金を請求されることはまずありません。
ただし交換前の古い鍵に破損や故障が見られる場合は、通常手順での脱着が難しくなることもありますので、別途追加作業分の料金が加算されることがあります。

鍵が空回りする時の対処法・まとめ

鍵の不調を「回らない・回りにくい症状だけ」、と思い込んではいけません。
あるはずの引っ掛かりがなくなって回り過ぎる空回りも、鍵トラブルのひとつです。
とは言え、必ずどこかに物理的な原因があるのは他の鍵トラブルと変わりません。
いざという時に落ち着いて対処できるよう、考えられる原因や適切な対処法を頭に入れておきましょう。
鍵の交換を検討する場合は、どの価格帯の鍵が交換候補としてふさわしいのか、通販サイトや価格サイトなどで情報収集しておくとよいでしょう。

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記事監修者

島田 宏幸(しまだ ひろゆき)

記事監修者

島田 宏幸(しまだ ひろゆき)

1964年生まれ。富山県出身。主任錠前技術者。
「鍵のかけつけ本舗」の創業時より当社に在籍。
これまで警察の捜査に伴う開錠や、金融機関における業務用金庫の開錠など、数多くの鍵トラブルを解決してきた。
今も現役として現場作業に携わるほか、教育担当として後輩社員の技術指導や育成も担う。 趣味は釣り、料理。

運営会社情報

  • 会社名

    :株式会社ライフ&テクノロジーズ

  • サイト名

    :鍵のかけつけ本舗

  • 代表者

    :水野辰章

  • 住所

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