認知症の徘徊防止に鍵が有効?設置場所や費用、注意点をプロが解説!

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【記事監修者】

島田 宏幸(しまだ ひろゆき)

主任錠前技術者

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認知症でよく見られる症状の「徘徊」は、家の外で事故に遭ったり行方不明になったりするなど、大きなリスクがつきまとう行動です。
今回は認知症の高齢者を介護している方向けに、徘徊防止策で鍵を設置するのが有効かどうか、設置する方法などについて解説します。
設置する際の場所や費用といった解説の他、鍵以外の効果的な徘徊対策についても紹介していますので、より安全で効果的な徘徊対策を検討してみてください。

1. 鍵を設置する有効性と、違法性や事故のリスク

徘徊を防ぐための策というと、「部屋や玄関に鍵を付けて行動範囲を制限する」方法がまず思い浮かぶかもしれません。
ですが安易な行動制限は、逆に思わぬ事故や刑事罰を招く恐れも大きい、諸刃の剣でもあります。

徘徊防止で鍵を設置するメリットと注意点

・メリット ⇒ 不慮の外出による事故を防げる

徘徊は記憶障害や不安感などによる症状で、「安全な場所に帰りたい」「失くした物を探したい」といった心理衝動が主な原因です。
家族に黙って家の外に出てしまうケースも珍しくなく、車や列車に轢かれて亡くなる重大事故も発生しています。

外出による事故を防ぐために、自室や玄関に鍵を付けて行動制限する方法は有効です。
家の中の事故は同居家族の配慮である程度防げますが、いったん外に出てしまうと何が起こるか分かりません。

・メリット ⇒ 列車事故で損害賠償請求されるリスクを防げる

徘徊者が家の外でトラブルを引き起こす事例として、「線路内に侵入して列車と接触してしまう」事故が多く発生しています。
一度に多くの乗客を運ぶ鉄道は、列車の運行を妨げられると多大な損害が生じてしまいます。
事故現場の清掃や復旧にかかる費用、大事な用に遅れた乗客への代替輸送手段の提供など、損害額が数千万円にも及ぶことが少なくありません。
そのため列車の人身事故では、「怪我をした方や亡くなった方に原因がある」と判断されると、本人または遺族へ多額の損害賠償請求が来る可能性があります。

外出時の事故を防ぐ主目的以外にも、まさかの損害賠償リスクを避けるために鍵の設置は効果があると言えるでしょう。

・デメリット ⇒ 場合によっては監禁罪に問われることも!

行動制限で徘徊を防ぐ場合に注意したいのは、「刑法の監禁罪に抵触しない範囲に留めておく」、という点です。
監禁罪は、「逮捕及び監禁の罪」という名称で、刑法第220条に規定されています。

参考:e-Gov法令検索

第三十一章 逮捕及び監禁の罪
(逮捕及び監禁)
第二百二十条 不法に人を逮捕し、又は監禁した者は、三月以上七年以下の懲役に処する。

上の条文に出てくる「不法に」という表現は、例えば警察が犯罪者を拘留・留置する場合や、身の安全を守る目的での行動制限(保護)は違法にならない、ということです。
徘徊症状がある家族を自室や家屋に閉じ込めることは、「認知機能が低下した者を不慮の事故から守るため」、とも解釈出来ますよね。
そのため必ず監禁罪に問われるとは限りませんが、閉じ込める必要性が見当たらないのに閉じ込めてしまうのは「不法」です。
さらに監禁罪の成立要件として、「本人の同意なしに」という条件も付いています。
鍵の設置を考える前に、まずは「本当に閉じ込める必要があるのか?」を慎重に検討しましょう。

参考:あいち刑事事件総合法律事務所  「逮捕・監禁罪を犯してしまったら

「監禁」で正当性があるとされる一例は、認知症で徘徊癖のある老人を鍵のかかった部屋で生活させるなどです。これは、本人の安全を守るためになるので、正当な理由があるとみなされます。

・デメリット ⇒ 火災などの災害時に避難が遅れる危険がある!

行動を制限した場合の一番恐ろしいデメリットは、「火災や地震などの非常時に逃げ遅れる可能性がある」ことです。

実際に起きた火災死亡事故で、次のような事例がありました。
認知症の高齢者を室内にチェーンでつないでいたところ、家の内部で火災が発生。
つながれていた高齢者が逃げ遅れ、不幸にも亡くなってしまったのです。

安全確保のための行動制限は、他の家族も家にいる時だけ行いましょう。
行動制限される人を1人で留守番させてしまうと、火災などの事故や災害、急な体調の悪化などがあった場合に助けられない危険があります。
鍵の設置は路上徘徊の防止策として有効ですが、一方で「閉じ込められる人にとってはリスクが大きい方法」であることも忘れないようにしてください。

2. 徘徊防止用の鍵はどこに付けるべきか?

後付けタイプの補助錠が手軽に買える現代では、鍵の増設で困るケースはかなり減ってきています。
しかしだからといって、「適当に鍵を増やせばいい」ということではありません。
外からの侵入防止が目的なら別ですが、徘徊を防ぐための鍵設置は、安全もきちんと考えて場所や種類を決めなくてはいけないからです。

徘徊を防止するための鍵の設置場所

・玄関や勝手口

建物から外に出ようと考えた時、まずは誰でも玄関に向かいますよね。
これは認知症患者も同じことで、普段出入りするのに慣れている玄関から出ていくケースが多いようです。
玄関に鍵を増設することは、空き巣など外からの不審者の侵入も同時に防げるメリットがあります。

勝手口や職員用出入り口がある建物では、表玄関だけでなくそちらのドアにも鍵を付けておくべきです。
玄関はつねに1つだけ、とは限りません。

・ベランダなどの窓

玄関から出られない徘徊者は、窓からの脱出を試みることもあるようです。
例えば病院などの施設に収容されていて、表玄関はスタッフの監視の目が厳しくて出られない。
職員用の通用口も、警備スタッフが常駐しているので使えない。
そんな場合に、他の脱出経路として窓から出ようとするケースがあります。

認知症患者の徘徊には、「今いる家が自宅だと理解出来ない」「無理矢理閉じ込められていると思い込む」などの原因もあります。
不安感が原因になっている場合、時には窓からでも抜け出そうとするのです。
空き巣などの侵入手口でも、無施錠の窓から入る方法がよく使われています。
徘徊防止と防犯を兼ねて、窓にも鍵を設置することを検討しましょう。

・刃物や工具、劇物など危険物を保管している場所

建物内での徘徊事故は、「認知症の方が危険な場所に近づいてしまう」ことで発生します。
刃物類や火気があるキッチン、工具や機械類が置いてある物置、手すりのない急階段などです。
こうした場所に通じるドアにもしっかり鍵をかけておき、認知症の方がうっかり近付いてしまう危険を減らしましょう。
必要があって立ち入らせる場合は、家族やヘルパーの介助同伴を徹底しましょう。

3. 徘徊防止に使える鍵の種類・効果的なのはこんな鍵

いよいよ鍵を設置すると決まったら、次のステップは鍵の種類の選択です。
徘徊防止に使えて安全性の高い鍵をご紹介します。

徘徊防止にお勧めの鍵

・ダイヤル式のサムターンカバー

徘徊防止の主な目的は、「勝手に外に出て行方不明になったり事故に遭ったりするのを防ぐ」ことです。
そのためには、室内側の回転ツマミ(サムターン)を防犯カバーで覆う方法もお勧めです。

サムターンカバーは元々、空き巣などがドアの隙間から工具を入れてサムターンを操作するのを防ぐために作られました。
屋外用ロウソク立てのように円筒状のカバーを被せるタイプのものが多いですが、中にはドーム形状のカバーでサムターンを完全に覆い、ダイヤルで暗証番号を合わせないと外れないものも販売されています。
ただし外からのサムターン操作を防ぐための製品ですので、固いもので叩くなどの破壊行為には弱いです。

・着脱式サムターン

サムターンをカバーで覆うだけではなく、サムターンそのものを外せるようにした鍵もあります。
サムターンを取り外して隠しておけば、隠し場所を知っている人以外は室内側から鍵を開けることが出来なくなる、というわけです。
着脱式のサムターンは、錠前一式で売られているものや、サムターンのみの交換用部品として売られているものもあります。
サムターンのみの交換ならどなたでも簡単に出来ますし、部品代も安く済むのでお勧めです。

・両面シリンダー錠

一般的なドア鍵は、室外側に鍵穴、室内側には回転ツマミがありますよね。
両面シリンダー錠は室内側も鍵穴式になっているので、キーを持っていなければ内側からも開けられない防犯用ドア鍵です。

徘徊防止で玄関ドアに設置する場合は、今付いている通常タイプの鍵と交換することになります。
今の鍵はそのままで両面シリンダー錠を増設するのも、ワンドア・ツーロック方式で防犯性を高められる一石二鳥の方法です。

・取り付け簡単な後付けタイプの補助錠

ビス留め式や両面テープ接着式の、補助錠と呼ばれる簡易タイプの鍵もあります。
補助錠のメリットは、ドア板に穴を開ける面倒な工事がいらない点です。
製品によってはビス留め用の穴を開ける必要がありますが、ドア板を本格加工するよりは簡単に取り付けられます。

両面テープ接着式は、ドア板やドア枠などに傷を付けたくない場合にお勧めの補助錠です。
テープの剥がし跡さえ綺麗に出来れば元の状態に戻せるので、建具に傷を残せない賃貸物件でも使えます。

・窓の鍵 ~ 補助ロック、ダイヤル鍵付きクレセント

窓に鍵を設置したい場合は、内窓と外窓を固定して開かなくする「窓ロック」を、サッシのレール部分やガラス面に取り付けるのがお勧めです。
他にも、窓枠中央の重なり部分に付いているお馴染みの半月型締め具「クレセント」を、暗証番号ダイヤル付きの防犯タイプに交換する方法もあります。

窓ロックは、窓を完全に開かなくするタイプのものと、開き幅を狭くするタイプのものがあります。
暑い季節に風を入れて涼みたい、室内換気したいといった場合は、開き幅を調整出来るタイプがお勧めです。
ただし窓ロックは、室内側から簡単に解除出来るようになっています。
認知症の方が自力で解除して抜け出す可能性がありますので、確実に窓をロックしたい場合はダイヤル鍵付きのクレセントを検討しましょう。
火災発生時の排煙や避難のしやすさなども、充分考慮してください。

・注意!開き戸と引き戸では設置可能な鍵が異なる

玄関ドアや室内ドアには、「開き戸=洋風のスイング式ドア」と「引き戸=障子のような和風ドア」の、2種類のタイプがあります。
開き戸と引き戸では基本構造が異なるため、開き戸用の後付け鍵を引き戸に設置することは出来ません。
引き戸に鍵を設置する場合は、「引き戸用」または「開き戸・引き戸対応」と記載された製品を選びましょう。

4. 鍵の設置や交換を業者に依頼する場合 ~ 費用の目安と注意点

「自分では鍵を設置する方法や、どんな鍵を付ければいいのかわからない…」
こんな時は無理せずに、プロの業者に相談しましょう。
一般的な鍵の設置・交換にかかる費用の目安と、依頼する際の注意点について解説します。

知っていれば安心・安全!費用目安と注意点

・鍵を設置する前にケアワーカーに相談する

介護を目的とする住宅設備の設置・改修は、かかった費用を介護保険でカバー出来る制度があります。
適用されると最大で18万円まで支給されますが、実際に適用されるかどうかは行政の審査結果によって異なりますし、工事前に申請書類を提出しなければなりません。

鍵の設置を検討する際は、必ず事前にケアワーカーに相談しましょう。
鍵の設置が本当に必要なのかどうか、介護保険が適用される可能性はどうかなど、重要なポイントを分かりやすくアドバイスしてくれます。
なお介護保険が適用された場合、支給金の支払いを受けられるのは工事が全て終わった後です。
そのため業者に依頼する費用については、一時的に立て替えなくてはならないことに注意してください。

・鍵の設置や交換は鍵屋に依頼

一般の方が「鍵屋」と聞くと、合鍵を作ったり開かない鍵を開けたりする業者が思い浮かぶかも知れませんね。
ですが鍵屋のサービス内容は、それだけではありません。
日本でサービス展開している鍵屋は、国産・外国産を問わず国内に流通している鍵の種類に精通しています。
新しく鍵を設置したい場合も、今の鍵を別のものに交換したい場合も、プロの知識で最適な鍵を選んでくれる頼もしい味方です。

「玄関ドアの鍵だから」、と言って住宅メーカーや建具メーカーに相談しても、実際に作業を任されるのは提携先の鍵屋になります。
鍵に関する作業の依頼は、基本的にまず鍵屋に相談するのがお勧めです。

・一般的な設置、交換の費用目安は10,000円~40,000円

鍵の設置や交換は、「どんな鍵を新しく付けたいのか?」などの条件によって依頼費用が変わります。
一般家庭の玄関ドアを例にしますと、補助錠など簡単な鍵の設置・交換は10,000円前後が相場です。
ドア板に穴を開けて嵌め込むタイプの本式錠では、30,000~40,000円ほどかかるケースが多いです。

これよりも費用が高くなるケースは、カードキー式や指紋認証式などの電子錠を設置する場合。
またはハイセキュリティの高性能鍵を設置する場合も、それなりに費用が高くなりやすいです。
他にも、重度の故障・不具合がある鍵の作業は、通常の作業手順に加えて鍵の破壊やドア板の追加工事が必要になるため、費用が高くなることがあります。

・高性能鍵の設置、交換の費用目安は50,000円~100,000円

上の項で書きましたが、カードキー式やテンキー式、指紋認証式などの電子錠は、鍵穴で操作するシリンダー鍵よりも本体価格が高価です。
そのため部品も一緒に業者から購入する場合は、作業料金と部品代の合計で50,000円~100,000円ほどかかります。

・窓の鍵の設置、交換の費用目安は10,000円~15,000円

窓用の鍵はドア用よりも簡素なため、作業料金や部品価格もそれなりに低めです。
費用の相場は10,000円~15,000円ほどと考えておけばいいでしょう。

・注意点 ~ 複数業者から見積もりを取って依頼先を決める

住宅設備関連で業者に依頼する際、必ず覚えておきたいポイントがあります。
「最初に電話した業者」や「訪問販売で営業に来た業者」に、その場ですぐに依頼しないほうがいい、ということです。
悪質業者トラブルで、「住宅リフォーム業者に不当な高額請求をされた」ニュースを見たことはありませんか?
家の設備に関わる依頼は、お客様が焦りや不安を抱えているケースが少なくないので悪質業者に狙われます。

残念ですが鍵屋の中にも悪質業者は存在し、不当なキャンセル拒否や高額請求といったトラブルが多数報告されています。
必ず複数の業者に電話見積もりを依頼して、どこに依頼するのかを慎重に判断してください。
電話口での説明姿勢もしっかりチェックし、少しでも腑に落ちない曖昧な説明があれば、遠慮せずにキャンセルする勇気を持ちましょう。
チラシなどの広告やホームページの説明は、誇張気味の情報や嘘の情報が書かれていることもあるため鵜呑みにするのは危険です。

「鍵のかけつけ本舗」では、鍵のトラブルについて24時間365日受付対応しています。お見積り・出張費は無料、追加費用0円、即日の対応も可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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5. 鍵の設置以外にもたくさんある!効果的な徘徊防止策

「鍵を設置する段階ではない」、と判断された時のために、他の手段で徘徊事故を防止する方法も知っておきましょう。
どれも認知症の方に過度の不安や負担を与えず、安全で効果的な方法です。

鍵以外の徘徊防止方法

・相手の話を親身に聞いて、優しく接するように心掛ける

認知症の症状が出ている方は、周囲がとても理解出来ないような話をすることがあります。
自分はこの家の者ではない、今自分と話しているあなたは家族でも何でもない、誰かが自分を陥れて無理矢理この家に監禁している……
こんな時、あなたならどんな風に対応するでしょうか?

「そんなはずないでしょ、しっかりしてよ!」
「おかしなこと言ってないで私の言う事を聞きなさい!」
などと叱るような対応は、認知症患者を不安にさせるNG対処の代表例です。
なにしろ正常な認識能力が低下しているわけですから、正論や一般常識を聞かせたところで理解することが出来ないのです。
「この人は怖い、この人は私の敵だ」と思わせてしまうと、余計に徘徊行動を悪化させてしまう恐れがあります。

相手の話を遮らないように優しく聞いてあげながら、「そうなんだね、じゃあ私があなたを安全に保護してあげるね」といったように、優しく接してあげましょう。
「この家は安全だ、この人は自分の味方だ」と認識させることが出来れば、徘徊行動を減らせるかも知れません。
イソップ寓話『北風と太陽』の太陽になったつもりで、温かく見守るように接してあげるのがコツです。

・人感センサー ~ 玄関などに設置して音で知らせる

人が近づくとアラーム音が鳴る人感センサーは、徘徊者が設置場所を通過するのをキャッチして、アラーム音で知らせてくれる徘徊防止機器です。
配線不要の電池タイプなら数千円台で買えますが、介護保険の福祉用具レンタル制度の品目に人感センサーも含まれており、自己負担額1割~3割でレンタル利用することが可能です。
玄関や窓の近くなど、出入り可能な場所に設置するのが効果的です。
詳しいレンタル方法や自己負担額については、ケアワーカーに相談しましょう。

・GPS機能付きの携帯、スマホ ~ 徘徊者の居場所がすぐに分かる

徘徊者が無断で外出してしまった場合は、すぐに居場所を探り当てて保護しなければいけません。
こんな時に便利なのが、GPS機能付きの携帯やスマホです。
徘徊者に持たせておいたり、衣服のポケットに縫い付けておいたりすれば、勝手に家を出てしまった場合でも、家族のスマホですぐに居場所を特定出来ます。
徘徊者が自分用のスマホを持っている場合は、GPS発信アプリをインストールすることでも同様の機能が使えます。

・徘徊防止用の柵 ~ 危険な場所への出入りを防ぐ

刃物類が多くあるキッチンへの通路、または一人で昇降するのが危険な階段付近は、生活動線の関係でドアが設置されないケースが多く、鍵を設置出来ないことがあります。
こうした場所には、室内用の柵の設置がお勧めです。
壁や建具へのビス留め、または穴開け工事が必要なので賃貸住宅では使えませんが、家の中の徘徊事故を減らすことが出来ます。

自分で設置するのが難しい場合は、ケアワーカー、または介護用設備に詳しいリフォーム業者に相談しましょう。

・身元が分かるもの ~ 簡単で低コストなお馴染みの方法

子供の迷子を防ぐのと同じように、名前や住所、連絡先が書かれたものを持たせる方法もお勧めです。
普段よく着ている衣服の背中に、競技用ゼッケンのような感じで小さめの表示布を縫い付けておくのも良いですね。
何故背中なのかというと、本人の目につきやすい場所に名前が大きく表示されていると、「子ども扱いするな!」などと怒り出す方もいるためです。
認知症の方の中には、「自分はまだまだ元気」だと思っている方もいます。
本人の気分を損ねないように、表示方法や場所を配慮することも重要です。

認知症の進行度に比例して、物忘れの頻度も増えていきます。
カバンやバッグ、スマホなどの私物に名前と連絡先をメモしておくやり方でもいいのですが、それを家に置き忘れたまま外出されたら意味がありません。
置き忘れる心配がないように、着衣に縫い付けてしまう方法が確実です。

・警備会社や自治体のサービスを利用する ~ 地域ぐるみで徘徊防止

高齢者人口の増加が社会問題になっている現在、警備会社で高齢者の見守りサービスを始めるところが出てきました。
例えば大手警備会社の「ALSOK」では、高齢者に持たせたGPSタグを感知用機器で監視し、異常があると関係者にメールなどで通知するサービスを展開しています。
緊急事態発生時には警備スタッフが駆け付けるサービスもありますので、離れて暮らす独居家族の徘徊防止などに有効です。

また、各自治体単位でも、地域の高齢者の安全を守る取り組みが広がってきています。
見守りサポーターに登録している店舗や施設が高齢者の異変に気付いた場合に、自治体や警察などに通報するといった仕組みです。
交通事故や不審者などから子供を守る取り組みをあちこちで見かけますが、それと似たような高齢者見守りのための仕組みも、当り前になりつつあるわけです。

自治体の徘徊防止サービスの利用については、ケアワーカーに相談するか、最寄りの地域包括支援センターの相談窓口を利用しましょう。
地域包括支援センターは、介護事業所や病院などに併設されることが多いです。
最寄りの地域包括支援センターがどこにあるのか分からない場合は、市町村の介護保険の担当部署に問い合わせてみましょう。

認知症の徘徊防止に鍵が有効? ~まとめ~

鍵の設置による徘徊防止は、認知症の方が気付かないうちに外出して事故に遭うのを防ぐために有効です。
ですが緊急時の避難や救助の妨げにならないよう配慮しないと、逆に危険を招きかねないリスクもあります。
本当に鍵を設置するべきなのかどうか、介護保険は適用されるのかなど、介護のプロのケアワーカーに相談しましょう。
部屋の中や家の中に閉じ込めて行動を制限する方法は、状況次第で監禁罪に問われる可能性があります。
鍵の設置は他に手段がない時だけにし、閉じ込める以外に適切な方法がないかどうかも、前もって慎重に検討しましょう。
鍵の設置方法や交換方法、鍵の種類で迷ったら、プロの鍵屋に相談するのが確実です。
悪質業者に騙されないよう複数の業者から見積もりを取り、電話応対の態度や説明姿勢も比較しながら依頼先を決めましょう。
警備会社や自治体の高齢者見守りサービスも、徘徊による事故の防止に有効です。
どうしていいのかわからない時は、ケアワーカーや地域包括支援センターに相談してみましょう。

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記事監修者

島田 宏幸(しまだ ひろゆき)

記事監修者

島田 宏幸(しまだ ひろゆき)

1964年生まれ。富山県出身。主任錠前技術者。
「鍵のかけつけ本舗」の創業時より当社に在籍。
これまで警察の捜査に伴う開錠や、金融機関における業務用金庫の開錠など、数多くの鍵トラブルを解決してきた。
今も現役として現場作業に携わるほか、教育担当として後輩社員の技術指導や育成も担う。 趣味は釣り、料理。

運営会社情報

  • 会社名

    :株式会社ライフ&テクノロジーズ

  • サイト名

    :鍵のかけつけ本舗

  • 代表者

    :水野辰章

  • 住所

    :〒261-0023

     千葉県千葉市美浜区中瀬1-6

     エム・ベイポイント幕張ビル10階