バンピングとは?不正解錠を防ぐための基本知識と対策方法をプロが解説

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【記事監修者】

島田 宏幸(しまだ ひろゆき)

主任錠前技術者

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建物のドア鍵を不正に開錠する手口は、破壊をともなう強引な方法や壊さず開ける緻密な方法まで多種多彩です。
その中でも「バンピング」と呼ばれる手口は、ピッキングと比べて認知度は低いものの防犯の盲点になりやすい厄介な存在であるため、早いうちに対策を講じておく必要があります。
今回の防犯コラムは、一般の方には馴染みが薄いと思われるバンピング手口の基本知識と、自宅や職場をバンピング被害から守る対策についての解説です。

1. バンピングの基本知識

まずはバンピングがどのような手口なのかについて、最低限度の基本情報を見に付けておきましょう。
なお本コラムでは、悪用される恐れもある犯罪手口の情報である関係上、一般公開される当サイトのコラムであまり詳しい内容を書くことは出来ません。
ですが概要だけでも知っておくのと全く何も知らないのとでは、被害想定や対抗策の立てやすさが大きく違ってきます。

バンピングってどんな手口?

・ピッキングよりも簡単で痕跡が残りにくい

テレビの情報番組などでよく耳にする「ピッキング」という解錠手口は、鍵を使わず特殊な工具を鍵穴に差し込んで、内部ピンをいじりながら鍵を開けるやり方です。
それに対して「バンピング」は、通常の鍵とよく似たバンプキーという特殊な鍵を鍵穴に差し込み、普通に鍵を開けるのに近い感覚で解錠出来てしまう方法になります。
ピッキング解錠では正しい知識の習得と年単位の技術訓練が必要になりますが、バンピングの場合はバンプキーさえ用意出来れば、誰でも簡単に鍵を開けることが出来てしまいます。
このため何とも厄介な手口のように思えますが、バンピングには犯行手口に選ばれにくい大きな欠点があり、実際に侵入窃盗で使われるケースは少ないです。

・開けられる鍵の種類が少ない

先ほど触れたバンプキーの欠点とは、「鍵穴内部の障害物がピン形状のシリンダーしか開けられない」ことと、「バンプキーが対応している鍵しか開けられない」ことです。
ピッキングの場合、専用ツールが1セットあれば大体どんなシリンダーでも開けることが可能ですが、バンピングでは開けたい鍵のメーカーやタイプごとに専用のバンプキーを用意しないといけません。
解錠作業が単純な代わりに融通が利きにくいのがバンピング、解錠作業が難しい代わりに汎用性が高いのがピッキング、と覚えておきましょう。

ピッキングに弱かったことで生産終了した旧式のディスクシリンダーは、内部の障害物にピンが使われていないためバンピングで開けることは出来ません。
ですがその一方で、ピッキングが難しいとされる現代鍵のディンプルシリンダーでも、内部ピンが使われていることでバンピング解錠の餌食になってしまいます。
ピンがなければ旧式鍵でも開けられない、ピンさえあれば新型鍵でも開けられるのがバンピングの特徴です。

・集合住宅は要注意!

開けられる鍵の種類が少ないバンピングですが、実は「マンションなどの集合住宅で使われる危険性が高い」ことには注意が必要です。
1本のバンプキーで開けられる鍵のメーカーやタイプは決まっていますが、集合住宅では全戸に同じメーカー・同じタイプの鍵が付いていることも多いので、どこか1部屋の玄関鍵を開けられるバンプキーがあれば、同じ建物の全ての部屋の玄関を同じように開けることも可能なのです。
最近ではピッキング対策用の防犯設備としてディンプルキーを導入する物件が増えていますが、バンピングまでは防げないことを意識しておかないと、想定外の隙を突かれて侵入被害に遭ってしまうかも知れません。

2. バンピングの方法~手順はシンプル、リスクは大きめ

本項では、バンピングで鍵を開けるための方法と、バンピング中の不審者を見かけた場合の判別方法を説明していきます。
バンプキーの作り方の詳細については伏せますが、一般の方がバンピング対策を立てるのに充分役立つ内容です。

バンピングってどうやるの?

・バンプキーを叩いて衝撃を与えることで内部ピンを動かす

バンピングが厄介な理由のひとつに、「痕跡が残りにくい」と言う特徴があります。
ピッキングで鍵を開けられた場合、対応鍵以外の不正な工具を鍵穴に入れて内部部品をいじる関係上、小さい傷のような痕跡が鍵穴周辺に残ることが多いです。
それに対してバンピングは、純正キーと似たような形のバンプキーを使うため、不正解錠でよくある傷跡などの痕跡がほとんど残りません。

バンピングの方法は、鍵穴に差し込んだバンプキーのキーヘッドを軽く叩いて衝撃を与え、内部ピンを弾いて解錠位置に動かします。
バンプキーの挿入から抜き去りまでの一連の手順はほんの数秒で、遠目からだと普通に鍵を開けているだけのように見えることもあります。

バンプキーは、ターゲットに選んだ鍵のメーカー・タイプに対応するものを事前に作成しておかなければいけません。
通常の鍵とほとんど変わらない見た目の金属キーで、一般の方には純正鍵との見分けは付きにくいでしょう。
侵入犯罪の定番になっているピッキング専用ツールは法律で所持や携帯が規制されていますが、使用頻度も出回っている数も少ないバンプキーは、いまのところ法律の規制対象にはなっていません。
日本ロック工業会や警察などの専門機関も、侵入犯罪で使われるケースが多いピッキング手口に関する注意喚起がメインです。

参考:Youtube・防犯チャンネル(防犯アドバイザー京師美佳公式)
*京師美佳さんによるサンプル鍵のバンピング解錠実演

・バンプキーとピッキング専用工具の入手難度の違い

当サイトの鍵トラブル解決コラムで、鍵を紛失した場合の緊急解錠方法としてピッキングのやり方を紹介しています。
即席でピッキング用ツールを作る方法も詳しく書いていますが、裏を返せば、「ピッキングで鍵を開けるための道具は誰でも簡単に作れる」ということでもあります。
ですがバンピングで使われるバンプキーは、開けたい鍵のタイプに合わせた精巧な加工が必要で、専門の技術や機材を持っていないと作るのは困難です。

ただしピッキング専用ツールは、防犯プロや鍵屋など職務上の正当な理由がない限り、むやみに所持・携帯することは出来ません。
正当な理由なしにピッキング専用ツールを携帯していて見つかった場合は、「特殊解錠用具の所持の禁止等に関する法律」に違反にしたものとみなされ、懲役刑や罰金刑が課されることになります。
さらに同法違反は「刑事罰」になりますので、スピード違反や駐車違反の反則金のような「行政罰」とは異なり、罰金だけでも前科が確定してしまいます。
さらに本職の鍵屋であっても、仕事以外のプライベートで正当な理由なしにピッキングツールを持ち歩いた場合は、同法違反で刑事罰を受けることがあります。

参考:警察庁公式サイト 住まいる防犯110番
ピッキング防止法の制定・施行

・バンピングの弱点~侵入犯にとっては命取りの実行リスク

破壊行為を使って強引に押し入ろうとする犯罪がある一方、空き巣などの侵入犯罪の多くは「音を立てずにコッソリ忍び込む」手口が好んで使われます。
侵入時に大きな物音を立ててしまうと、建物の住人や近隣住民、通行人などに気付かれやすくなるのは言うまでもありません。
日本の侵入犯罪でピッキングによる被害が多いのは、ピッキングでドアを解錠する作業が「ほとんど音を立てずに出来るから」でもあるのです。

ところがバンピングで鍵を開けようとする場合、鍵穴に差し込んだバンプキーをハンマーなどで叩いて衝撃を与えないといけません。
すると当然「ゴン!ゴン!」と大きな音が発生するので、無人の家に忍び込むのでもない限り、住人や通行人に気付かれるリスクが高くなってしまうのです。
解錠用具の作製難度の高さだけでなく、「実行時の大きな音の立てやすさ」も、バンピングがほとんど使われない理由です。

・バンピング中の不審者を見抜く方法

ここまでに紹介したバンピングの手口や方法は、そっくりそのまま「バンピング中の不審者を見付ける方法」に活用出来ます。
「玄関ドアの鍵穴に通常の手順でキーを差している」人が、「差し込んだキーの頭をハンマーのようなものでゴンゴン叩いている」光景を見かけたら、まず間違いなくバンピングで鍵を開けようとしている人と断定出来ます。
バンピングはキーヘッドをハンマーなどで叩く際、鍵穴やドアノブに余計な衝撃を与えてしまうやり方です。
そのため作業ミスで依頼者の鍵を壊したくない正規業者が、通常の解錠依頼でバンピングを使うことはまずありません。
鍵屋がシリンダー錠の解錠を行う場合は、鍵周りに過度の負担をかけないピッキングが一般的です。

ただし鍵屋の使用機材や技術レベル、作業のやり方はまちまちなので、住人や官公庁の依頼を受けた鍵屋がバンピング解錠を行う可能性もあります。
もし見かけてもすぐに警察に通報するのではなく、作業の様子を見守っている人が周囲にいないかどうかを確認する、または「〇〇さんのお宅に御用ですか?」と声掛がけして反応を見るなど、怪しいそぶりを見せていないかどうか確認する方がいいでしょう。
空き巣などの侵入犯は地域住民に声を掛けられることを嫌います。
顔を覚えられるリスクが高い上に、うっかり返答してしまうと声や発音の特徴も覚えられてしまうからです。
「怪しい人を見たら声をかける」習慣は、地域ぐるみで不審者を寄せ付けないための効果的な防犯テクニックです。

3. バンピングされやすい鍵の種類

使われるケースが少ないとはいえ、やはりピンシリンダータイプの鍵をわずか数秒で開けられてしまうバンピングは脅威です。
バンピングに弱い鍵、バンピングで開けられやすい鍵の種類を解説しますので、もしも自宅の鍵が本項で紹介するタイプに当てはまるようなら、この後の「4. バンピングに対抗する方法」を参考に防御策を講じることをお勧めします。

こんな鍵は要注意!

・旧式のピンシリンダー

細長いピン形状の障害物が鍵穴内部に埋め込まれているピンシリンダーは、最新型の防犯鍵でも多く採用されている最もポピュラーなタイプです。
ですが、防犯性能が飛躍的に向上した筈のディンプルシリンダーでもバンピングで開けられてしまう可能性があり、さらに旧式のピンシリンダーともなれば、バンピングにもピッキングにも耐性を持たない不安な鍵ということになってしまいます。
ピンシリンダーは鍵穴がギザギザしているのが特徴で、いわゆる「ドット絵」のように小さな四角形を不規則に縦に並べたような見た目です。

内部構造が単純な旧式のピンシリンダーは、2000年代前半に改良型のディンプルシリンダーが登場するまで、一般家庭や事業所のほとんどで使われていたタイプです。
旧式のディスクシリンダーよりはピッキングに強くなっているものの、バンピングで簡単に開けられてしまうのが難点でした。
現在では内部ピンの本数を増やした耐ピッキング仕様のシリンダーが主流になっていますが、やはりバンピングを完全に防ぐことは出来ないため、メーカーが「バンピング対策済み」と紹介している鍵に交換しておきたいところです。

・ディンプルシリンダー

令和5年現在、使いやすさと防犯性能の高さで普及が進むディンプルシリンダー。
内部ピンの本数と設置方向を増やしたピッキング対策用の高性能の鍵ですが、やはりピンを障害物に使っている関係上、バンピングを完全に防ぐことは出来ません。
マンションやアパートなどの安全・防犯用設備の紹介で、「全戸ディンプルキー導入」をアピールしている物件も多いですよね。
ですが既に説明したように、集合住宅内の多くの部屋で同じメーカー・同じタイプの鍵が使われている場合、その中のどこか1部屋に対応するバンプキーさえあれば他の部屋の鍵も開けられてしまうのです。
侵入犯罪で使われるケースが少ないとは言え、全戸の玄関鍵にディンプルキーを採用するだけでは、防犯面で万全の備えが出来ているとは言い切れません。

もっとも集合住宅の場合は、戸建てと違ってバンピング解錠時の衝撃音が共用廊下に響きやすいので、2~3部屋離れた同階の住人も異変に気付きやすいのは防犯上有利です。
ただし新築マンションなど空き部屋が多い物件では、音に気付く住人が少ないためバンピング被害に遭う可能性が高くなることに注意しましょう。
他にも、各部屋の防音性が高く、玄関鍵がディンプルキーの物件も要注意です。

・ディスクシリンダー(バンピングは不可能でも防犯性低い)

当コラムの最初の方で、「ディスクシリンダーはバンピングでは開けられない」と書きました。
内部ピンを使っていないため構造的にバンピングは不可能ですが、その代わり「ピッキングに極端に弱い」という最大の欠点がありますので、防犯面を考慮して他のタイプの鍵への交換をお勧めします。

ピンシリンダーの登場以前に建物用の標準鍵として使われていたディスクシリンダーは、1970年頃に最も広く普及した「昭和を代表する鍵」です。
鍵穴は波カッコの「{」のような形で縦に開いていて、内部の障害物は細長い板状のディスクです。
今でも築30年前後の建物で見かけることがありますが、内部構造が単純なため、ピッキングで簡単に開けられてしまうという致命的な弱点を抱えていました。
2000年代に入ってからは新規受注や生産を終了するメーカーが相次ぎ、現在販売されているディスク障害物方式のシリンダーは、国内の大手メーカー・美和ロックが開発した改良型の「ロータリーディスクシリンダー」のみとなっています。

4. バンピングに対抗する方法~不正侵入を効果的に防止しよう

バンピングの基本的な情報については、しっかり覚えていただけたでしょうか?
最後に本項で、バンピングによる不正侵入を防止するための対抗策を詳しく解説します。
バンピングだけでなくあらゆる手口の不正解錠侵入に対抗出来る方法ばかりですので、建物の用途や予算状況などを考慮しながら、最適な方法を選択してください。

バンピングを防ぐ方法

・補助錠を設置してワンドア・ツーロックにする

建物ドアの防犯性能を高める最もお勧めの方法は、「ドア用補助錠を設置してワンドア・ツーロックにする」ことです。
鍵自体を高性能タイプに交換してしまうのもお勧めですが、防犯性能に優れる鍵は一式交換に5万円前後~10万円前後かかるため、誰でもすぐに導入出来るわけではありません。
そこで今すぐ使える方法として、数千円台で購入可能な補助錠の設置をお勧めします。

1つのドアに2つ以上の鍵を付ける「ワンドア・ツーロック方式」は、警察や防犯のプロも口を揃えてお勧めしている不正侵入対策の定番です。
警察庁の防犯情報サイト「住まいる防犯110番」によると、「侵入者の約7割は侵入に5分以上かかると諦める」、「10分かかるとほとんどの侵入者が諦める」とのデータが出ています。
令和現在の最低基準程度の性能の鍵であっても、1つのドアに複数の鍵を付けることで鍵開けにかかる時間を増やせるわけです。
さらに威嚇効果も強力で、2つ以上の鍵が付いているドアは住人の防犯意識の高さの表れですから、不審者に狙われにくくなるというメリットもあります。
安全に侵入するとなれば、無防備な相手を狙うのに越したことはないからです。

補助錠を利用したワンドア・ツーロック方式は、物理的に鍵開け時間を増やさせるだけでなく、住人の警戒意識の高さも見せつける「一石二鳥」の防犯効果が狙えるわけです。
特にバンピングの場合は、わざわざ大きな音を立ててバンプキーを叩くリスクを冒したのに、さらにもう1つの鍵も開けなければならないという不安感が大きくなります。
私たちプロの鍵屋は、ピッキングでもバンピングでも必要最小限度の作業音でこなせる技術を身に付けています。
ですがもしも「ワンドア・ツーロックのドアを誰にも気付かれずにバンピングで開けるチャレンジ」があったら、すんなりクリア出来るかどうかはちょっと自信がありません。

参考:警察庁 住まいる防犯110番
侵入者プロファイリング~心理と行動③「5分が分かれ目」

・バンピングされない鍵に交換する

バンピングが不可能な鍵に交換してしまう方法は、かかる費用に見合うだけの防犯効果が見込めます。
ただしどれほど高性能な鍵であっても、どこかに必ずデメリットもあることに注意しないと、せっかくの交換費用がムダになってしまいかねません。

バンピング防止用の鍵として当社がお勧めしたいのは、先ほど紹介した美和ロックの「ロータリーディスクシリンダー」です。
製品名は「U9シリンダー」と「PRシリンダー」の2シリーズで、PRシリンダーは集合住宅用として販売されています。
どちらも部品価格が比較的安くコストパフォーマンスに優れているので、一般家庭の防犯鍵の入門用として気軽に導入しやすいのがメリットです。
ロータリーディスクシリンダーは、旧式ディスクシリンダーの内部ディスクを回転式にした改良型で、内部動作を複雑にすることによって不正解錠を難しくします。
ピッキング対策とバンピング対策を兼ねた鍵としては、ディンプルシリンダーよりも部品代が安く済むのに安心感が高いです。

ロータリーディスクシリンダー以外では、鍵穴を使わないカードキーやテンキーなどの「電子錠」もお勧めです。
ただし物理的な仕組みで動くシリンダー錠とは異なり、電子部品を使っているため価格が高いことと、電池切れで動かなくなることに注意しましょう。
さらに、バンピングもピッキングも不可能な特殊鍵として、電気を全く使わない暗証番号ボタン式の「キーレックス」もあります。
工事現場や商業施設の関係者用出入り口で、番号ボタンが並んでいる縦長の金属部品を見たことはないでしょうか?
それが実はキーレックスという物理鍵で、世界中の空港などの重要施設でも採用されている防犯用鍵の一種です。
電気部品を使わないキーレックスは、雨風に曝されやすい屋外ドアに設置しやすいところも強みです。

「鍵のかけつけ本舗」では、鍵のトラブルについて24時間365日受付対応しています。お見積り・出張費は無料、追加費用0円、即日の対応も可能ですので、まずはお気軽にお問い合わせください。

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・ドアセンサーを設置する

玄関ドアの侵入防止用品として使えるドアセンサーは、衝撃を検知してアラームを鳴らすタイプのものも販売されています。
解錠時にキーヘッドを叩くバンピングは、ドアノブや鍵穴だけでなくドア板にも衝撃が伝わりやすいため、ドア用の衝撃センサーで検知出来ることがあります。
熟練の泥棒なら必要最小限度の衝撃でバンピングすることもありますが、ドア板の建付けや部品の遊び具合によっては、ほんのわずかな衝撃でドア板が大きく揺れるかも知れません。

さらに安価な選択肢として、商店の出入り口ドアなどでよく使われているドア開閉センサーもお勧めです。
ドアの開閉を検知してメロディやアラームを鳴らすタイプのセンサーは、通常の訪問客を不必要に威嚇する心配がなく、こっそり侵入しようとしている不審者を音で威嚇することが出来ます。
通販サイトで1,000円台から買えますので、ドアだけでなく窓にも設置しておけば、建物の出入り口をまんべんなく防犯仕様にすることが可能です。
「侵入者は大きな音を立てやすい物を嫌がる」、と覚えておきましょう。

・他にもある!建物の防犯強化のためのアドバイス

当サイトの「防犯コラム」では、上記に紹介した以外にもたくさんの防犯アドバイスを掲載しています。
玄関ドアのバンピング対策やピッキング対策だけでなく、窓の防犯強化方法や敷地内全体の侵入対策、賃貸でも使える防犯機器の紹介など、すぐに役立つ身近な情報ばかりです。
「お住まいの地域や近隣地域で空き巣被害が多発している」方、あるいは「ストーカーや性犯罪者の自宅侵入を防ぎたい」方は、予算や家族構成なども考慮しながら、自分に合った最適な防犯テクニックを探してみてください。

参考:あわせて読めば安全度アップ!プロがお勧めする防犯アドバイス

5. まとめ

いくつかあるドア鍵の不正開錠手口の中でも、認知件数が極めて少ないレアな手口のバンピング。
痕跡が残らないため鍵のかけ忘れと間違えられることもあるようですが、実際に存在している侵入手口である以上、ピッキングやサムターン回しなどのポピュラーな手口と一緒に対策しておくことは必要です。
キーを叩いて衝撃を与えるバンピングは大きな音を立てやすいので、自宅や隣の家の玄関付近で衝撃音が聞こえたら要注意です。
バンピング対策に使える防犯用品は、3~5万円前後の高性能鍵だけでなく、1,000円台で手軽に買える補助錠やドア開閉センサーなどもあります。
使える予算や求める性能をじっくり検討しながら、自宅や事務所などの侵入対策をバランスよく進めましょう。
高性能の防犯鍵に交換する場合でも、万が一の場合に備えてワンドア・ツーロックの補助錠を設置するのがお勧めです。
どのようなドア鍵や防犯グッズでも必ずどこかに隙や弱点はありますから、防犯機器の弱点と人間のうっかりミスを相互にカバーし合えるように、設置機器や生活習慣を広い視点で見直してみましょう。

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記事監修者

島田 宏幸(しまだ ひろゆき)

記事監修者

島田 宏幸(しまだ ひろゆき)

1964年生まれ。富山県出身。主任錠前技術者。
「鍵のかけつけ本舗」の創業時より当社に在籍。
これまで警察の捜査に伴う開錠や、金融機関における業務用金庫の開錠など、数多くの鍵トラブルを解決してきた。
今も現役として現場作業に携わるほか、教育担当として後輩社員の技術指導や育成も担う。 趣味は釣り、料理。

運営会社情報

  • 会社名

    :株式会社ライフ&テクノロジーズ

  • サイト名

    :鍵のかけつけ本舗

  • 代表者

    :水野辰章

  • 住所

    :〒261-0023

     千葉県千葉市美浜区中瀬1-6

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