バイクの鍵が回らない!プロが教える効果的な対処法

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駐輪や保管に場所を取らず使い勝手がいいバイクは、愛好者が多いぶん鍵トラブルの発生率も高めです。
「すぐ使いたいのに急に鍵が回らなくなった」ような場合、焦って無理に対処すると、余計に事態を悪化させてしまいます。
今回は、「やってはいけないNG行動」「鍵が回らなくなる原因」、そして「プロが教える効果的な対処法」を解説します。

1. やってはいけないNG行動

鍵のプロ以外の方が鍵トラブルに遭遇した時、真っ先に考えていただきたいのは「何をやったらダメなのか?」です。
バイクなど乗り物の鍵は、出先で急なトラブルに見舞われると焦りやすいので、つい強引にNG対処をやってしまって事態を悪化させるケースが目立ちます。
まずはNG行動をしっかり確認しておいてから、解決のための対処法に移りましょう。

トラブル悪化の危険がいっぱい!NG行動一覧

・力任せに鍵を回す

鍵が回りにくい、または回らない時は、鍵穴内部で何らかの障害が発生しています。
それなのに力任せに回してしまうと、キーや鍵穴部品を変形・破損させてしまい、余計に被害を拡大させる原因になります。

・一般用潤滑剤や油類を鍵穴に入れる

鍵穴のメンテナンスで潤滑剤を使う場合、安全に使えるのは「鍵穴用の潤滑剤」だけです。
一般の金属用潤滑剤や潤滑油は、複雑な鍵穴の内部では滞留しやすく、ベタつきや異物固着といったトラブルの原因になります。
ちょっとした整備や修理に一般用潤滑剤を常備している方は、うっかり鍵穴に使わないように注意してください。
鍵穴用の潤滑剤は、サラサラしたパウダー状なのが特徴です。

・鍵周りの部品を自力で分解しようとする

鍵はいくつもの部品が複雑に組み合わさり、分解も組み立ても正確な知識が必要です。
細かい作業に専用工具も必要なので、プロの方以外が鍵の分解修理を試すのはお勧めしません。

・配線直結のエンジン始動を試みる

車やバイクの盗難で、エンジンキーを使わずにエンジンを始動させる手口の「配線直結」。
新しい車種ではさすがに対策が施されていますが、年式の古い車種ではこの方法が通用するものもあります。
バイクで「鍵」というとほぼエンジンキーなので、配線直結のやり方があることを知っている人は、つい試してみたくなるかも知れませんね。
ですが、整備士以外が車両内部の配線をいじるのは、重要部品にダメージを与えてしまう恐れがあるので絶対やってはいけません。
感電や火花の引火など重大事故の危険もあります。

2. 鍵が回らなくなる原因

鍵が回らなくなるトラブルには、必ず何かの原因があるものです。
どんな原因があるのかを知っておくことで、トラブル予防のメンテナンスや、トラブル時の原因の絞り込みがしやすくなります。

鍵が回らなくなる原因

・ハンドルロック

バイクや車のエンジン鍵には、安全装置としてハンドルロック機能が付いています。
キーを抜いた状態でハンドルを左右どちらかに目いっぱい回すと、ハンドルが固定されて動かなくなり、キーを刺しても回りません。
ふとしたはずみでハンドルロックがかかることもあるので、故障や破損を疑う前に、ハンドルロックされていないかどうかを確認しましょう。

・キーの摩耗や変形

キーを鍵穴に刺した時、キー形状に合わせて内部の障害部品が動き、鍵が回るようになっています。
ところが長く使っている鍵は、キーが摩耗して形が変わっていることがあり、鍵穴部品の位置が合わずに開かなくなることがあります。

また、車両に固定されている鍵穴とは違い、持ち歩くことが多いキーには色々な負荷がかかるものです。
頑丈な金属キーも長く使うと金属疲労を起こすので、気付かぬうちに曲がったり欠けたりして、鍵穴と合わなくなることがあります。

・キーの異物や汚れ

ギザギザ形状のキーは、鍵山の谷間や溝にゴミや汚れが溜まりやすいです。
また、着衣のポケットに入れることが多いと、布地の繊維が引っかかって残ることもあります。
ベタつき汚れが固まって異物になり、鍵の動作を妨げるケースも少なくありません。

・鍵穴内部の摩耗や破損

鍵穴の内部部品も、普段の取り扱い方や経年劣化で摩耗・破損することがあります。
特に多いのが鍵の回転を制御する障害ピンで、とても小さくデリケートな部品のため、すり減ったり折れたりするトラブルが起こりやすいです。
鍵はソフトに扱うべきものですが、つい乱暴に扱ってしまうという方は注意しましょう。

・鍵穴内部の異物侵入

「狭くて小さい鍵穴に異物が入るなど信じられない」、という方が多いです。
ですがこれは紛れもない事実で、修理依頼でお預かりした鍵を分解してみると、内部にゴミやホコリがびっしり詰まっていることも珍しくありません。
露出状態で吹きさらしの鍵穴は、風で舞い上がったゴミやホコリの侵入が多いです。
またはキーに付着した異物が、鍵穴に刺した際に入り込むこともあります。
固形状の異物以外でも、キーのベタつき汚れが鍵穴内部に付着して、そのまま固着することもあります。

3. 鍵が回らない時の対処法

「2.鍵が回らなくなる原因」の見出しを参考に、それぞれのケースでの対処法を説明します。
なお本項は、業者に頼らず自分で出来る方法の紹介です。
業者を利用する対処法は、次の見出し「4. どうしても自分で解決出来ない場合の対処法」で説明します。

自分で出来る!鍵が回らないトラブルの解決方法

・ハンドルロックしている場合

ハンドルロックの解除は、「ハンドルを目いっぱい回しながらキーを回す」手順で出来ます。
この時ハンドルを回す方向は、右または左のどちらか一方です。
ハンドルを限界まで目いっぱい回して押し付けながら、キーを刺して回しましょう。
キーが回らない場合は、ハンドルを回す方向や力加減を変えながら試してみてください。

・キーに異物や汚れが付着している場合

ブラシや布などでキーを掃除してみましょう。
鍵山と溝の部分を中心に、付着物を取り除いていきます。
布を使う場合は、破れてボロボロになった布はあまりお勧め出来ません。
破れた繊維が引っかかり、糸くずや繊維くずが残る恐れがあるためです。
不織布があれば最高ですが、ない場合は繊維が残っていないことを確認しながら掃除しましょう。

・キーの摩耗や変形が見られる場合

ハンドルロックの確認とキーの掃除を試してもダメなら、スペアキーを使ってみましょう。
急な鍵トラブルの解決には、スペアキーが役に立つことが多いです。

・鍵穴部品の異常が疑われる場合

ハンドルロックしていないのに、マスターキーでもスペアキーでも回らない……
こんな場合は、鍵穴に原因がある可能性が高いです。
自分で出来る対処法としては、「鍵穴内部の異物を取り除く」のが簡単な方法になります。
エアダスターの圧縮空気を鍵穴の中に吹き込み、溜まったゴミやホコリなどの異物を吹き飛ばしましょう。
掃除機が使える場合は、ノズルの先端を鍵穴に押し当てて小刻みに揺すりながら、中のゴミを吸い出してみましょう。
鍵穴の入り口に覆い蓋が付いているタイプは、針金状の細いもので蓋を押し開けながらやるといいでしょう。

・鍵穴用の潤滑剤を使う

鍵穴用または鍵穴専用と書かれた潤滑剤も、鍵トラブルの解消に効果的です。
クレ556といった一般用潤滑剤は鍵穴には不向きですので、間違って使わないようにご注意ください。
鍵穴用の潤滑剤がない場合は、「〇Bの鉛筆の芯の粉」でも代用可能です。
芯に含まれる黒鉛が金属の表面で潤滑効果を発揮し、部品の滑りを良くしてくれます。

4. どうしても自分で解決出来ない場合の対処法

「3. 鍵が回らない時の対処法」の方法でも直せなければ、それ以上無理に自力対処しようとしてはいけません。
下手をすると余計に不具合を悪化させてしまうので、プロの業者に解決を依頼するのが安全です。

どうしても鍵が回らない時は・プロ業者にすぐ依頼

・鍵屋

鍵のトラブル解決に関して言えば、やはり最も頼りになるのは鍵屋でしょう。
車両を持ち込まなくても現地に出張してくれるので、場所を問わず頼みやすいのがメリットです。
また、種類や新旧を問わずあらゆる鍵のトラブルに対応可能で、車体に傷を付けないように壊さず開ける技術も持っています。
ディーラーと比較すると多少費用が高くなる傾向にありますが、所要時間は圧倒的に早く、数分~1時間ほどで素早く解決出来るのが強みです。
時間的に余裕がなく急いで解決したい場合は、鍵屋への依頼をお勧めします。

なお自分で鍵屋を探して依頼する場合は、

◇相談時のヒアリングは丁寧か?
◇最低料金や固定料金だけでなく、おおよその見積り料金も案内してくれるか?

といった対応をチェックしながら、優良業者か悪質業者かを見定めましょう。
また悪質業者は、同業他社と比較検討されることを嫌います(ボロが出やすい)。
そのためハッタリでもいいので、「他の業者にも相談している」と伝えておくと効果的です。

・ディーラー店舗

ディーラー店舗は、販売車種の全てのトラブルを正確かつ安全に対処可能な、バイクライフの生命線です。
鍵のトラブルも確実に解消してくれるので、安全性ではピカイチです。
ただし鍵屋と比べると、修理やメンテナンスに少々時間がかかります。
費用面では安く上がることも多いのですが、とにかく早く解決したい場合は、ディーラーよりも鍵屋の方がお勧めです。

・修理工場

ディーラー店舗、または安心して頼める鍵屋が近くになければ、バイクを扱える修理工場がないかどうか探してみましょう。
費用相場や作業スキルは業者によってまちまちですが、無理に自力で解決しようとするよりは安全です。
大手有名業者であれば、スマートに解決してくれるでしょう。

・ロードサービス、または保険会社

JAFや保険会社のロードサービスは、最寄りのディーラーや修理工場に車両移動したい場合の依頼先候補です。
ただしJAFの場合、キー紛失や閉じ込めといった鍵開け作業は出来ますが、本格的な原因の究明や修理まではしてくれません。
鍵が回らないトラブルでJAFを呼ぶ場合は、レッカー移動のみに限られるでしょう。

保険会社のサービスには、鍵トラブルに対応するものもあります。
提携業者の修理工場までのレッカー費用が無料など、いざという時に活用したい選択肢です。
加入中のバイク保険で使えるサービスを確認しておき、担当窓口の連絡先をメモしておくと安心です。

5. バイクの鍵が回らない時の対処法とNG行動・まとめ

維持費の安さや取り回しの良さで、車よりも重宝されることが多いバイク。
ですが多く使われる道具ほど、使用頻度に比例してトラブル遭遇率も高くなります。
トラブル時にやってはいけないNG行動を知っておき、余計なリスクを増やさないことを意識しましょう。
その上で、正しい対処法を落ち着いて順番に試し、効率良くトラブルを解決していきましょう。
自力対処は費用も時間も節約出来そうなイメージですが、間違った対処で状況を悪化させてしまうと、かえって余計に費用がかさむリスクもあります。
自力解決出来るケースとそうでないケースを見極めて、無理であれば早めにプロの業者に依頼しましょう。

当社サイト・記事監修スタッフのご紹介

創業以来の鍵トラブル解決実績・累計12万件以上。
当社へのご依頼をお考えの方から、今現在鍵のトラブルでお悩みの方まで、多くの方に安心・安全をお届けしているサイトです。

【当社サイトのコンセプト】
ありとあらゆる鍵トラブルにお悩みの方を、プロの知識でサポートするためのサイトです。
鍵屋の仕事は、交換部品や作業機材といった金属部品の携行が多いので、業務車両は主に車が使われます。
ですが当社にご依頼くださるお客様は、悩みのタネがいつもお車だけとは限りません。
バイクに自転車、金庫や建物など、あらゆる鍵のお悩みにお応えするのが私たちの使命です。
鍵トラブルの解決をきっかけに、その鍵の先にある皆様の暮らしの安心・安全にも貢献させていただくこと。
それが私たち、鍵のかけつけ本舗の願いです。

【記事監修者】
島田 宏幸(しまだ ひろゆき)
1964年生まれ。富山県出身。主任錠前技術者。
「鍵のかけつけ本舗」創業時より在籍している、まさに熟練のプロ職人。
ピッキングの早さと精度は社内でもトップレベル。
警察の捜査に伴う開錠や、金融機関における業務用金庫の開錠など、数多くの鍵トラブルの解決に貢献。
今も現役で現場作業に携わるほか、教育担当としても後輩社員の指導や育成を行っている。
趣味は釣り、料理。