インロックの開け方をプロが解説!車の鍵を閉じ込めた時の対処法

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鍵を車内に置いたまま、またはエンジンスイッチに刺したまま降りてドアロックされるインロック。
車は高価な財産で、一時的に使えなくなることの支障も大きく、トラブル時はつい焦りがちになるものです。
インロックしてしまった場合の正しい対処方法を、プロの知識と経験で解説します。

1. インロックが起こる原因・インロックしやすい人の特徴

2019年度のJAFの出動件数は、インロックが年間約15万件でTOP3に入っています。
高性能なスマートキーが普及している現代でも、いくつかの理由でインロックが起こる可能性はあるのです。
インロックが発生する原因と、インロックしやすい人の特徴を見てみましょう。

スマートキーが原因のインロック

・電池切れ

キー側に電子部品が使われているスマートキーは、キーの電池の消耗で誤作動を起こすことがあります。
キーが車内にある時、車体側はキーの電波を受信することで「搭乗者が車内にいる」と判断します。
ところがキーの電池消耗で発信電波が弱まると、車体がキーを検知出来ずに「キー所有者が車内にいない」と判断し、ドアロックしてしまうのです。

・電波障害

車内にキーがあっても、スマートフォンの電波で通信を妨害されることがあります。
また、放送局・発電所・無線機器などが付近にある場合は、強い電波の干渉を受けやすくなります。
こうした電波干渉による誤作動も、インロックの原因です。

スマートキー以外の原因でのインロック

・子供の誤操作

小さな子供をキーと一緒に車内に残し、短時間車から離れるケースがあります。
子供は未知のスイッチ類には好奇心旺盛で、普段大人がいじっている様子を真似したくなるものです。
うっかりドアロックしてしまっても、一体何が起きたのか、どうすればロックを解除出来るのか理解出来ません。
また、故意にではなくても、車内で遊んでいる時にうっかりドアロックスイッチに触れるケースもあります。

・ペットの誤操作

犬などのペットを車に乗せてドライブする人をよく見かけます。
これは見ていて微笑ましい光景ですが、ペットを車内に残したまま、買い物などで車を離れるのは危険です。
活発なペットは車内をあちこち動き回ることが多く、誤ってドアロックスイッチに触れてしまうトラブルに繋がります。

インロックしやすいのはこんな人

・エンジンをかけたまま車から離れることが多い

ちょっとした買い物や送迎など、エンジンスイッチにキーを刺したまま車から離れるとインロックしやすくなります。
キーは肌身離さず持っておくのが安全ですが、エンジンの停止・再始動の操作を面倒に感じる人は多いものです。
ちょっとした荷物の積み下ろしでは、エンジンを切るまでもない短時間の乗り降りを繰り返すこともありますよね。
長時間のドライブなど、休憩で車外に出るケースもよくあります。

・小さな子供やペットを車に乗せることが多い

小さい子供がいるご家庭で、留守中面倒を見てくれる人がいない場合。
あるいは送り迎えなどで、子供を車に乗せることが多い場合。
買い物中に騒がれるのが心配、あるいは顔見知りと車外で立ち話するなどの理由から、子供を乗せたまま車を離れるケースがあります。
またペットの場合、盲導犬以外の店内への持ち込み禁止が普通なので、さらに車内に残して降りるケースが多いです。
店の外にリードで繋いでおく方法もあるのですが、通行人に危害を加えたり吠えたりするおそれがあるので、ペットは車内に残されやすくなります。

・急ぎ気味に車を降りることが多い

ギリギリでスケジュールを組む性格の人や、いつも何かに忙殺されている人などは、車を使った行動でも時間に追われがちです。
スマートキーの電池の状態に注意が及ばない、または車を降りる時につい手クセでドアロックしてしまうなど、注意不足が原因のインロックも少なくありません。

2. 自分で鍵開けを試みる際のリスク

鍵のトラブルは鍵屋に任せるのが一番ですが、待ち時間や費用が惜しいなどの理由で自力対処したくなるケースもありますよね。
ですが専門知識のない一般の人の鍵開けは、かえって事態を悪化させるリスクが高いので要注意!
自力解錠で考えられるリスクと、絶対に避けるべきNG行動を説明します。

自分で開けるリスク

・鍵を傷付けたり壊したりするおそれ

金属で丈夫なように見える鍵も、中身は細かい精密部品。
うっかり傷を付けたり部品を壊したりすることで、不具合を起こすリスクが高くなります。
正しい技術を身に付けたプロの鍵屋は、ただ鍵を開けるだけではなく、傷付けず綺麗に開けるプロでもあります。

・車両自体を傷付けるおそれ

ただ鍵を開けるだけのつもりなのに、ドアや車体まで傷付けてしまうと大変ですよね。
不慣れな人の自力作業は、鍵開け道具を鍵以外の場所にぶつけたり、擦ったりといったトラブルも発生します。

・鍵屋への依頼費用が高くなるおそれ

傷付いた鍵や破損した鍵は、鍵屋の作業料金が高くなってしまいます。
傷や破損は鍵開け作業の大敵で、見た目にはわかりにくい傷でも作業が難しくなるものです。

やってはいけないNG行動

・力任せで強引にいじる

ドア部品や鍵開け部品は、出来る限りソフトに扱うのが鉄則です。
急な鍵トラブルで慌ててしまうと、つい余計な力が入って部品を壊すおそれがあります。

・鍵穴に針金などを入れる

テレビや動画で「ピッキング解錠」の実演シーンを見たことはありませんか?
手慣れたプロが鍵穴に何かを入れて、ほんの数秒で開けてしまうようなシーンです。
また中には、鍵屋ではない素人が興味本位で実演している動画もあります。
ピッキングによる解錠は、狭く小さい鍵穴の中でパズルを解くようなものです。
誰でもすぐに開けられるものではなく、鍵穴内部を破損してしまう危険もあります。

動画やブログで「ピッキングは簡単」などと紹介されていることもありますが、実際はそれほど簡単ではありませんので、安易に真似をしないようお気を付けください。
また、ピッキング専用ツールを鍵屋以外が所持することは、「特殊開錠用具の所持の禁止等に関する法律 」によって禁止されています。
ネットで紹介されているからと、ピッキング用具を気軽に購入することも避けてください。

・自分が所有していない車両を管理者に無断で鍵開けする

レンタカーや会社の車、または近年普及が進んでいるカーシェアリングなど、自分の所有ではない車でトラブルに見舞われる場合もあります。
こうしたケースのNG行動は、「車両の管理者に無断で自己対処する」ことです。
何かトラブルがあったら管理者や所有者にまず連絡し、指示を仰ぐことが重要です。
連絡なしに鍵を開けたり業者に依頼したりすると、後々車両の所有者とトラブルになるおそれがあります。

なお、生命や財産に差し迫った危険がある場合は、民法・刑法の「緊急避難」の規定により、破壊開錠行為が許される場合があります。
ただし車両管理者の損害賠償請求権は消えないので、罪には問われなくても損害賠償請求される可能性があることを覚えておいてください。

3. インロックの開け方

インロックしたドアを自力で開ける時、車体や鍵を壊さずに出来れば文句なしですよね。
誰でも出来るロックの開け方をいくつか紹介します。

スマートキーの特性を利用する方法

・ドアが閉まってから数秒以内に開ける

近年主流のスマートキーは、「キー所有者が車から一定距離離れる」、「ドアが閉まってから一定秒数経過する」ことでロックがかかる機能があります。
車種によってロック条件は異なりますが、ドアが閉まってから数秒以内であれば、ロックされる前に開けられる可能性があります。

身近な道具を使う方法

・ハンガー・針金でロックを開ける

ワイヤー型のハンガーや針金は、ドアウインドウの隙間からドア内部に差し込むことで、ロック部品を外せます。
ただしウインドウやロックの開閉が電動式の車種では、ドア内部に配線が通っているためこの方法は使えません。

針金またはハンガーを1本の棒状に伸ばし、先端をL字に曲げてフック状にします。
ウインドウの根元にある防水ゴムを指でめくり、隙間から針金のフック部分を差し込んでいきましょう。
ドアノブの真上あたりにロックピンがあるので、何か細いものに当たる感触があったら、フックを引っかけて持ち上げればロックを解除出来ます。
手探りでの作業になるので、慎重に落ち着いて行ってください。

・紐を使ってドアロックツマミを引っ張る

古い車種で、ドアロック用の長いツマミが飛び出ている場合に使える方法です。
ただし消しゴムのような四角いツマミではなく、ボウリングのピンのように細長いツマミのほうが成功しやすいです。

長さ1m程度の紐を用意し、真ん中に引き解け結びで輪を作ります。
輪の直径は2~3cmくらい、ツマミがすっぽり入るくらいの大きさです。
紐が手に入らない場合は、靴紐を引き抜いて代用しましょう。
紐が用意できたら、ドアと車体の隙間に平たい物を挟んでストッパーにし、紐が入るくらいの隙間を広げます。
ストッパーは布などで包み、車体に傷が付かないよう工夫しましょう。
また、紐の輪っか部分を車内に滑り込ませるので、邪魔にならない位置にストッパーを挟みましょう。

□を車のドアとすると、紐を車内に入れるのは「蝶番がないほうの上角」からです。
ドアに充分な隙間が出来たら、紐の中央の輪っかの部分を、ウインドウの上角の隙間から車内に滑り込ませていきます。
両端を操りながら輪っかをツマミに近づけ、ツマミが輪っかに入ったところで紐を締めて、ツマミを上に引き上げましょう。

手動で開閉するドアロックツマミは、滑り止め用の窪みやギザギザが付いています。
そこに紐の輪が引っかかるように締めると、引き上げる時にツマミが紐から抜けにくくなります。

・鍵穴に空気圧を送り込んで開ける

2007年にアップロードされたYoutube動画で、「穴を開けたテニスボールで車のドアロックを開ける」というものがありました。
古い車種では、鍵穴に空気圧をかけることで内部ピンが動き、ロックが外れることがあります。

やりかたは簡単で、鍵穴ほどのサイズの穴を開けたテニスボールを使います。
ボールの穴を鍵穴にぴったり押し付けたら、ボールを手のひらで押し潰します。
ボールを押し潰す時は、身体ごとぶつかる感じで瞬間的に強く押しましょう。
これで鍵穴に強い空気圧が送り込まれ、内部部品を動かして鍵が開くという仕組みです。
なおこの方法は、「ピンポイントで瞬間的に空気を送り込む道具」さえあれば、テニスボール以外でも開けられる可能性があります。
ただし成功率はそれほど高くありませんので、どうしても開けたい時の予備程度に覚えておいてください。

・ドアに隙間が出来ない場合は鍵屋に依頼

ドアの隙間を広げる方法は、比較的古い車種しか出来ません。
新しい車は安全性を考慮した頑丈な作りで、ドアの隙間がほとんど開かないものが多いからです。
無理に自力で開けようとすると破損や歪みの原因になりますので、プロの鍵屋に鍵開けを依頼することをお勧めします。

4. インロック時の鍵開け依頼などの連絡先

自分で鍵を開けられない場合は、専門業者に依頼するのが安全で確実な選択肢です。
その時の状況によって、連絡すべき相手は変わってきます。
どんな状況ならどこに連絡すべきなのか、しっかり確認しておきましょう。

自分の車で自宅近くにいる場合

・家族や友人にスペアキーを持ってきてもらう

自宅にスペアキーがある場合は、同居家族や近隣に住んでいる家族、自宅の合鍵を持っている人などにスペアキーを持ってきてもらいましょう。

自分の車で出先にいる場合

・ロードサービスに鍵開けや車両移動を依頼する

旅行・ドライブ・出張など、自分の車で遠くに出かけた際のインロックは、ロードサービスが頼りになります。
JAFのロードサービスでは、レッカー移動だけでなく鍵開けにも対応しています。
また任意保険のロードサービスでも、指定業者で鍵開け対応してくれる場合があります。

レンタカー・カーシェアリング・社用車の場合

・車両の管理者・所有者にまず連絡する

自分のものではない車のトラブルは、管理者や所有者に無断で処理してはいけません。
レンタカー会社やカーシェアリングのオーナー会社、社用車であれば会社の車両管理者にまず連絡しましょう。
管理者の承諾なしに自己処理してしまうと、契約違反や損害賠償請求などのトラブルにつながります。

とにかく急いで鍵を開けたい場合

・鍵屋に鍵開けを依頼する

炎天下で車内に子供が取り残されたなど、一刻を争う緊急事態は鍵屋に任せるのが確実です。
鍵の長所も弱点も知り尽くすプロの鍵屋は、壊さずに開けるスマート解錠だけではなく、「どうすれば効率よく破壊出来るか」についても熟知しています。

当社では業界トップレベルの技術と機材で、ほとんどの鍵の種類に対応可能です。
ギザギザ鍵やスマートキーはもちろん、イモビライザー付きの鍵でも壊さずに解錠出来ます。
必要な場合はマスターキーの作成も承っております。

5. 鍵屋に鍵開けを依頼する費用の目安

インロックトラブルの対処で鍵屋に依頼する場合、状況や鍵の種類などによって料金が変動します。
当社の料金設定を例に、鍵屋に依頼する際の費用目安を示します。
本項および当サイト内の料金記載は、全て消費税込みの金額です。

鍵のかけつけ本舗の料金

・基本料金・日中8,000円 / 深夜早朝13,000円

当社では、以下の2つの時間帯で基本料金を設定させていただいております。
次項からご説明する鍵タイプごとの料金は、基本料金+各作業料金の合計総額です。

◇日中8:00~20:59
8,000円
◇深夜早朝21:00~7:59
13,000円

・国産車:ギザギザ鍵の鍵開け⇒8,000円~20,000円

鍵穴にギザギザキーを刺すタイプの鍵開けは、8,000円から承ります。

◇M1~M200
8,000円
◇M201~M300
15,000円
◇M301~
20,000円

・国産車:特殊鍵の鍵開け⇒30,000円

スマートロックやイモビライザー内蔵型など電子機能が組み込まれた鍵は、30,000円で承ります。

・外国車:ギザギザ鍵の鍵開け⇒15,000円~

ベンツやボルボなど外国産車のギザギザ鍵は、キー形状が片面刻みのタイプで15,000円、両面刻みは
30,000円で承ります。

・外国車:特殊鍵の鍵開け⇒50,000円

外国産車の特殊鍵は、50,000円で承ります。

・故障や破損がある場合

作業開始時点で故障・破損があった場合は、程度によって別途料金がかかる場合があります。
実際のお支払い総額については、作業前の見積りで事前に提示させていただきます。

6. インロックしないための予防法

今回の記事でインロックを解決出来た場合でも、今後再びインロックしないとは限りません。
どうすればインロックを防げるのか、安全な予防法をご紹介します。

ちょっとした注意で出来る予防法

・キーは常に持ち歩く

車を使わない時以外は、キーは必ず自分で持っておくようにしましょう。
車から降りる際にシートの上に置きっぱなし、またはエンジンスイッチに刺しっぱなしにしていると、何かの拍子でインロックされる率が高くなります。
「ドアを開けたまま短時間降りるなら安全」と思われるかも知れませんが、通行人の邪魔になって閉められたり、人や物がぶつかって閉まるケースも考えられます。

またドアを開けたままだと、車から目を離した数秒間で盗難に遭う危険もあります。
車から降りる際は短時間でもキーを持ち、ドアを閉めて降りるように心がけましょう。

・スマートキーの電池の状態に気を配る

キー側の電池が減ると、誤作動でインロックするリスクが高くなります。
キーの電池の状態を小まめにチェックし、不慮の電池切れトラブルを防ぎましょう。

・駐停車の場所に注意する

付近に電波の発生設備がある場合、キーと車両の通信が妨害されて誤作動を起こしやすくなります。
車を停めたり駐車したりする際は、強い電波の発生設備が近くにないことを確認しましょう。

・スマートフォンの位置や状態に注意する

車内でキーの近くにスマホを置いていると、スマホから発する電波が通信の妨げになってインロックすることがあります。
スマホの電源を切っておくか、キーに近付け過ぎないように注意しましょう。

インロックの開け方と対処法・まとめ

高性能なキーシステムが当たり前の時代でも、使う人のわずかな油断でインロックは発生します。
まずは自分で出来る鍵開け方法を試し、どうしても開けられなければ、必要な連絡先へ早めに連絡するようにしましょう。
借り物の車の場合は、所有者・管理者に真っ先に連絡。
解決出来た場合でも、今後二度と同じトラブルを繰り返さないよう、予防法をしっかり実践出来るようにしましょう。
インロックは車両の安全に関わるだけでなく、車内に取り残された子供やペットの安全にも関ります。
普段から車の鍵の取り扱いに充分注意し、もしもの際はプロの鍵屋にご相談ください。

当社サイト・記事監修スタッフのご紹介

創業以来の鍵トラブル解決実績・累計12万件以上。
当社へのご依頼をお考えの方から、今現在鍵のトラブルでお悩みの方まで、多くの方に安心・安全をお届けしているサイトです。

【当社サイトのコンセプト】
鍵屋の解決事例の中で特に多いトラブルが、車両の鍵の紛失や故障、そしてインロックです。
電子機器のスマートキーは、インロックのおそれがある場合に警報音で知らせてくれる機能があります。
とは言え、トラブルが発生しない万能ツールなどというものは、残念ですが存在しません。
いつ誰に起こるかもわからない鍵トラブルで、お困りの方にすぐに役立つ当サイト。
あらゆる鍵を知り尽くしたプロの知識を、皆様の身近な安心・安全にお役立ていただけましたら幸いです。

【記事監修者】
島田 宏幸(しまだ ひろゆき)
1964年生まれ。富山県出身。主任錠前技術者。
「鍵のかけつけ本舗」創業時より在籍している、まさに熟練のプロ職人。
ピッキングの早さと精度は社内でもトップレベル。
警察の捜査に伴う開錠や、金融機関における業務用金庫の開錠など、数多くの鍵トラブルの解決に貢献。
今も現役で現場作業に携わるほか、教育担当としても後輩社員の指導や育成を行っている。
趣味は釣り、料理。